乳頭部腺癌(膵胆管乳頭部癌)の原因は何か?
乳頭部腺癌とは
乳頭部腺癌は稀な癌で、米国では毎年約5,000人が診断されます。胆管と小腸が合流する胆管膵管開口部(膵胆管乳頭部)に発生し、腫瘍が成長すると胆汁の流れを遮断し、肝臓や膵臓から十二指腸への胆汁分泌が阻害されます。その位置的特徴から、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)の影響を受けやすいと考えられています。
家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)とは
FAPは遺伝性疾患で、大腸に数百から数千個のポリープが形成されます。未治療のままでは35〜40歳で大腸癌を発症するリスクが高く、消化管全体に腫瘍が出やすいことが知られています。これが乳頭部腺癌の発症要因の一つと考えられています。
乳頭部腺癌とFAPの関係
FAP患者は大腸癌だけでなく、腸管や膵胆管開口部に腺癌を発症しやすくなります。実際、FAPは十二指腸腺癌のリスクを高めることが報告されており、乳頭部腺癌も同様のリスク因子と位置付けられます。
遺伝要因の重要性
FAP患者の75〜80%は、40歳までに大腸癌やポリープの家族歴があります。ジョンズ・ホプキンス大学医学部の事例では、37歳女性の診断過程で家族歴が不完全だったことが判明し、遺伝的背景が診断に与える影響が強調されました。
ジョンズ・ホプキンス大学の症例研究
この症例では、最初は母方の叔母が57歳で腹部癌で死亡したと報告され、母親は70歳で7個の腺ポリープと診断されました。その後、母親が実際には100個以上のポリープを有し、広範な大腸癌家系が存在することが判明し、FAPが乳頭部腺癌の根本的なリスクであることが明らかになりました。
