甲状腺疾患の方は貝類を食べても大丈夫ですか?
甲状腺は首の下部にある蝶形の小さな腺で、T4 と T3 というホルモンを分泌し、細胞にエネルギー使用量を指示して体全体の代謝をコントロールします。甲状腺機能が低下(甲状腺機能低下症)または過剰(甲状腺機能亢進症)になると、これらのホルモンの分泌が不均衡になります。いずれの場合でも、ヨウ素の摂取量を適正範囲に保つことが重要です。貝類などの甲殻類はヨウ素を多く含むため、甲状腺疾患の方には注意が必要です。
避けるべき食品
甲状腺機能亢進症(過剰な甲状腺ホルモン分泌)の場合、ヨウ素の過剰摂取は症状を悪化させます。そのため、ヨウ素が豊富な食品や医薬品、さらにはX線検査で使用される造影剤なども控えるべきです。
一般的な食事に含まれる食品の中で最もヨウ素濃度が高いのは海産物です。特にカニ、ロブスター、カキ、その他の甲殻類はヨウ素が豊富です。海藻も同様にヨウ素が多く含まれます。乳製品や植物性食品は、土壌のヨウ素濃度が高い地域(例:海岸近く)で生産された場合に限りヨウ素が多くなります。卵や一部のパンも自然にヨウ素を含む食品です。
現在、米国で最も一般的なヨウ素源はヨウ素添加食塩で、1gあたり約70µgのヨウ素が含まれます。甲状腺機能亢進症の方は、ヨウ素が多い食品すべてを避ける必要があります。一方、甲状腺機能低下症の方は、医師の指導の下でヨウ素を多く含む食品を摂取し、甲状腺機能の回復を図ることがあります。ただし、甲状腺疾患の既往がなくても自己免疫性甲状腺疾患の遺伝的リスクがある場合は、ヨウ素の過剰摂取(ヨウ素添加食塩の過剰使用など)を控えることが推奨されます。
