ヒストプラスマ症が引き起こす甲状腺障害

ヒストプラスマ症は真菌 Histoplasma capsulatum による感染症です。胞子を吸い込むことで肺に感染し、全身倦怠感・発熱・胸痛・乾いた咳などの呼吸器症状が現れます。稀に全身へ拡散し(播種性ヒストプラスマ症)、甲状腺を含む各臓器に感染します。免疫が低下した HIV/エイズ患者やがん患者、その他免疫抑制状態の人で特に起こりやすく、治療せずに放置すると致命的です。

HIV/エイズ患者における甲状腺疾患とヒストプラスマ症

  • 1998 年の Endocrine Pathology の研究、そして 2003 年にニューヨークの St. Luke’s Roosevelt Hospital で報告された症例は、HIV/エイズ患者で甲状腺感染が頻繁に見られることを示しています。特に播種性ヒストプラスマ症はエイズ患者の代表的な合併症の一つです。

既存の甲状腺疾患が感染リスクを高める

  • 2000 年の Journal of Clinical Microbiology によると、甲状腺真菌感染は稀ですが、報告例の多くは基礎に甲状腺疾患があるケースです。52 歳の女性(橋本病+非ホジキンリンパ腫)では、甲状腺に大きな結節ができ、原因がヒストプラスマ症と判明しました。

治療法

  • ヒストプラスマ症は抗真菌薬で治療できます。軽度〜中等度の場合は経口イタコナゾールが有効で、入院治療から外来治療へシフトできるようになりました。重症例ではアンフォテリシン B が第一選択薬です。

ヒストプラスマ症の感染経路

  • 真菌は土壌や鳥・コウモリの糞が付着した材料中に生息します。土壌や糞がかき乱されると胞子が空中に舞い上がり、吸入されて肺に到達します。北米では特に米国東部・中部で広く分布しています。

感染予防のポイント

  • 鳥やコウモリの糞がたまっている場所への立ち入りを避けることが最も有効です。農作業・橋梁点検・歴史的建造物の修復・解体作業などでどうしても現場に入る必要がある場合は、適切な防護具の着用、粉塵抑制、廃棄物の適切処理を徹底してください。詳細な予防策は米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)のウェブサイトで確認できます。

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