ウイルスは血糖値を上昇させるのか?
腸ウイルス(Enterovirus)
コクサッキーウイルスなどの腸ウイルス感染は、遺伝的に感受性のあるマウスで高血糖や糖尿病を誘発することが報告されています。2009 年の研究でも、若年層において腸ウイルスが1型糖尿病の発症に関与している可能性が示唆されました。
将来的な可能性
腸ウイルスが1型糖尿病の主要因であることが確定すれば、ワクチン開発が糖尿病予防の一手段となり得ます。ただし、ワクチンの実用化までには数年単位の時間が必要です。
C型肝炎ウイルス(HCV)感染
Pfizer の研究者らは、HCV に感染し糖尿病家族歴のある若者が、空腹時血糖異常(IFG)から糖尿病へ進行しやすいことを報告しています。
HIV と高血糖
抗レトロウイルス療法(ART)を受けている HIV 患者は、インスリン抵抗性や代謝異常のリスクが高まります。特に、HIV と同時に HCV に感染している場合、血糖上昇のリスクがさらに増大することが示されています。
考慮すべき点
ウイルス感染自体が直接的に高血糖や糖尿病を引き起こすわけではなく、遺伝的素因や生活習慣といった他の要因と相まって病態を促進する「トリガー」として働くと考えられています。
