皮膚ウイルスとは

皮膚は頑丈ですが、汗腺や毛穴、毛包を通じてウイルスに感染しやすいです。感染すると赤みやかゆみだけの軽い発疹から、触れると痛む膿胞まで様々な症状が現れます。代表的な皮膚ウイルスはヘルペスウイルスとコクサッキーウイルスです。

単純ヘルペスウイルス 1 型(HSV‑1)

HSV‑1は主に口唇周辺の皮膚に感染し、「口唇ヘルペス」や「熱性水疱」と呼ばれる症状を引き起こします。皮膚や粘膜に小さな裂け目があると感染しやすく、一度発症するとウイルスは神経節に潜伏し、数か月〜数年後に再発することがあります。免疫力が低下した人では脳炎や髄膜炎を起こすこともあります。

単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV‑2)

HSV‑2はHSV‑1とは別種のウイルスですが、症状はほぼ同様です。主に性器周辺に水疱を形成するため、性感染症として扱われます。症状がなくてもウイルスは感染力を持ち続けますが、抗ウイルス薬により発症の重症度や再発頻度を抑えることができます。

コクサッキーウイルス A 群(ヘルパンギナ)

ヘルパンギナはコクサッキーウイルス A 群が原因で、手足口病とも呼ばれます。発熱や喉の痛みを伴うインフルエンザ様の症状が出た後、口内や喉に小さな水疱が現れます。これらの水疱は足の裏や手にもできることがあります。

予防と対処法

HSV‑1、HSV‑2、コクサッキーウイルスの感染を防ぐためには、感染者との皮膚接触を避けることが基本です。特にHSV‑2は症状が出ていなくても感染力があるため、パートナーへの告知とコンドームの使用が有効です。ヘルパンギナは発症期間中および退院後数週間にわたり感染力が続きます。

これらのウイルスには根本的な治癒薬はありませんが、ヘルペスウイルスに対しては抗ウイルス薬で再発を抑制できます。コクサッキーウイルス感染は症状緩和を中心に対処し、自然に回復するのを待ちます。