水痘(チキンポックス)の起源と概要
水痘はヘルペスウイルス科に属する帯状疱疹ウイルス(Varicella‑zoster)によって引き起こされます。子どもに多い感染症ですが、成人でも罹患します。かゆみを伴う水疱が破れてかさぶたになる「疱疹」は、感染後10〜21日で出現し、発疹が出る1〜2日前から感染力があります。
原因
水痘ウイルスは主に呼吸器から体内に侵入し、鼻咽頭で増殖します。空気感染、飛沫感染、直接接触により広がります。感染後は一生体内に潜伏し、免疫システムに抑えられますが、ストレスなどで再活性化し、成人の約10%が帯状疱疹を発症します。
症状
発熱や頭痛、食欲不振、腹痛などの全身症状が先行し、1〜2日後に皮膚に疱疹が現れます。典型的には顔・胴体・頭皮に250〜500個の水疱ができ、かゆみを伴います。湿疹や皮膚疾患を持つ子どもでは1,500個以上になることもあります。まぶたや口腔、外陰部にも出現します。
治療
軽症の場合は、体を安静に保ち、かゆみを和らげる対症療法が中心です。ぬるま湯にオートミールを入れた入浴や、保湿ローション、経口抗ヒスタミン薬が有効です。爪を短く切り、掻きむしりを防ぐことで二次感染や瘢痕を予防します。
抗ウイルス薬(アシクロビルなど)は、発疹が出てから24時間以内に投与すれば効果が期待できます。家族内で感染が確認された場合、予防的に投与することもあります。
合併症の可能性
水痘患者にアスピリンを使用すると、レイ症候群のリスクがあるため禁忌です。肺炎、関節炎、心筋炎、稀に脳炎などが合併症として報告されています。妊娠中に感染すると胎児への先天感染リスクがあり、免疫がない新生児は重症化しやすいです。
予防
水痘は空気感染しやすく、完全に防ぐのは難しいですが、ワクチン接種により感染率と重症化を大幅に低減できます。ワクチン接種後に感染しても、発疹や症状は軽く済むことが多いです。
