ロタウイルスの発見からワクチン開発までの歴史
幼い子どもを持つ家庭では、予防接種を受けていなければ5歳になるまでにロタウイルスに感染する可能性が高いです。米国国立医学図書館によると、ロタウイルスは乳幼児の下痢や重篤な胃腸疾患の主要因です。先進国では致死率は低いものの、途上国では依然として死亡率の高い要因となっています。1970年代に始まった研究がワクチン開発へとつながった経緯を紹介します。
発見
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ロタウイルスをヒトで初めて分離したのはオーストラリアのリサーチャー、ルース・ビショップ博士です。重度の胃腸障害を持つ子どもの腸組織からウイルスを培養し、当時は「デュオウイルス」と呼ばれていました。
用語
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1974年、アイルランドのトーマス・ヘンリー・フルウェット博士がウイルスの円形構造に着目し、ラテン語の "rota"(車輪)に由来する "rotavirus" と命名しました。
研究の開始
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シンシナティ小児病院(現シンシナティ小児医療センター)に所属するリチャード・ワード博士が、1980年代初頭にロタウイルスワクチンの開発に着手。デイビッド・バーンスタイン博士と共同で、成人ボランティアに対し最小有効量の探索を行いました。1988年には200人以上の子どもを対象に初期臨床試験を実施しましたが、効果は得られませんでした。
転機
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失敗から得た免疫応答の知見をもとに、弱毒化した生ワクチン株を作製。米国国立衛生研究所(NIH)の支援を受け、1994年にアバント・イムノセラピューティクス社と共同で成人を対象とした第1相試験を開始しました。
臨床試験の拡大
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第1相試験は成人で安全性と免疫原性が確認され、翌年に子どもを対象とした第2相試験へと移行。成功を受けて第3相試験が実施され、2003年には製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が研究に参画し、約75,000人の子どもを対象に大規模試験を行いました。
ワクチン承認と普及
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米国食品医薬品局(FDA)は、2008年にロタリックス(Rotarix)を正式に承認。現在、100か国以上で使用が許可され、世界で2500万回以上接種されています。
