胃ウイルスの概要と対策
専門家の見解
胃腸炎は消化管の炎症によって起こる疾患で、主にウイルス感染が原因です。稀に細菌や他の病原体が関与することもあります。胃腸炎は年間500万〜800万人が死亡するほど深刻です。
原因と診断
汚染された食物の摂取が胃ウイルスの主な感染経路です。ノロウイルスは胃ウイルス感染の約50%を占め、カルシビリウス科に属するRNAウイルスです。糞便を介して広がり、汚染食品や直接接触で感染します。ノロウイルスは介護施設、クルーズ船、刑務所など閉鎖・半閉鎖空間で集団発生しやすいです。その他、ロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルスも関与します。
症状
主な症状は激しい胃痛や痙攣で、嘔吐、下痢、食欲不振を伴います。重症例では血便、失神、脱水による倦怠感が見られます。
診断のポイント
胃ウイルス感染は除外診断です。まず便培養で細菌の有無を確認し、異常がなければウイルス性胃腸炎が疑われます。便中の白血球検査や、患者の食歴・接触歴の聴取も重要です。
予防と治療
ウイルス性胃腸炎は自然に回復することが多く、治療は症状緩和が中心です。脱水対策として十分な水分補給を行い、必要に応じて経口補水液や下痢止めを使用します。抗生物質はウイルスには効果がないため、予防的に使用されることがありますが、根本的な治療にはなりません。嘔吐や悪心が強い場合は、オンダンセトロンなどの制吐薬が有効です。
注意点
多くの場合は軽症ですが、脱水や高熱によるけいれんなど、生命に関わる合併症を起こすことがあります。特に免疫力が低下している高齢者や子供は注意が必要で、ノロウイルスだけでも年間約300人が死亡すると推定されています。症状が数日以上続く場合は、他の重篤な疾患の可能性があるため、速やかな医療機関受診が求められます。
