ワークアウトで起こる筋肉の裂傷
筋肉とは
筋肉は繊維状の細胞組織から構成され、一般に「筋繊維」と呼ばれます。体内には自律的に働く平滑筋や心筋などがありますが、運動による損傷の対象となるのは、骨格に付着し随意に動かすことができる骨格筋です。
筋肉が軽く伸ばされ、筋繊維に微細な損傷が生じた状態は「軽度のストレイン(捻挫)」と呼ばれます。筋繊維が実際に裂けると「中等度」から「重度」のストレインとなり、場合によっては神経や腱、さらには筋肉自体が骨から離脱することもあります。
症状
米メイヨークリニックによれば、筋肉のストレインは腫れ、疼痛、筋痙攣、内出血、可動域制限などを引き起こします。軽度の場合は違和感程度で筋力低下はほとんどありませんが、中等度になると筋力低下と「引っ張られる」感覚が出ます。重度の裂傷では激しい痛みと共に「バチッ」という音や感覚が生じます。
治療と回復
初期の自己管理としては、R.I.C.E.(Rest=安静、Ice=氷冷、Compression=圧迫、Elevation=挙上)を実施します。具体的には、痛みや腫れを悪化させる動作を避け、患部を氷で冷やし、伸縮性のある包帯で軽く圧迫し、可能な限り心臓より高く上げます。
軽度のストレインは上記で回復することが多いですが、中等度・重度の場合は医師の診断が必要です。ブレースで固定したり、理学療法や手術が行われます。回復期間は軽度・中等度で約2週間、重度の場合は2か月以上かかることがあります。
予防策
ジョンズ・ホプキンス大学の研究では、運動前に十分なウォームアップを行うことでストレインのリスクが低減するとされています。軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動で体温を上げ、筋肉を柔軟にしてからストレッチや本格的なトレーニングに入ります。また、ストレッチ時にバウンド(はねる)動作を行うと筋繊維が急激に伸び、損傷しやすくなるため避けましょう。
