子どもの裂孔ヘルニア(食道裂孔ヘルニア)について
食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が食道と横隔膜の壁を通って上方に突出する状態です。食道が胃に通る筋肉の弱みが原因で、主に成人に見られますが、子どもでも発症することがあります。多くは先天的な欠損で症状が出ないまま見過ごされますが、体重変化や激しい運動、嘔吐、咳、排便時の圧力などがきっかけで症状が現れることがあります。
症状
- 食後に胸や喉が焼けるように感じる
- 胃酸が逆流し、胸焼けや酸っぱい感覚が生じる
- 胸部の痛み、膨満感、嚥下困難(飲み込みにくさ)
合併症
- ヘリニアが絞扼(血流が遮断)されると、胃組織が壊死し命に関わる危険がある
- 大きなヘリニアでは横隔膜に病変ができ、出血を伴うことがある
診断
- 食道と胃の状態を確認するため、内視鏡検査とバリウム嚥下検査が行われることが多い
- 軽度の鎮静下で実施し、痛みや不快感を軽減する
- 必要に応じてX線撮影も併用し、外来での検査が可能
治療法
- 食事の見直し:酸性・辛味の強い食品やカフェイン飲料を控える
- 就寝時は頭部を高くし、就寝前の食事は避ける
- 1回の食事量を減らし、1日数回に分けて摂取する
- 必要に応じて制酸薬や胃酸抑制薬を処方
- ヘリニアが大きく絞扼リスクがある場合は、腹腔鏡手術が推奨される
- 腹腔鏡手術は小さな切開とカメラで内部を確認しながら、胃を腹腔内に戻し筋壁を修復する
回復と日常生活
- 手術当日でも歩行できることが多いが、完全な回復には2~3週間要する
- 術後数か月は重いものを持ち上げるなどの負荷を避け、再発リスクを低減する
