創傷裂開(デヒシェンス)の原因とは?
定義
創傷裂開(デヒシェンス)とは、手術後に縫合部が閉じたまま維持できず、傷が再び開く状態、または傷が治癒しない状態を指します。主に腹部手術後に見られ、全身的・局所的な要因が関与します。裂開が起こると、再手術が必要になることや、感染、傷の拡大、血腫、目立つ瘢痕などの合併症を引き起こします。
原因
- 縫合糸の早期除去:縫合糸は表層の閉鎖には有効ですが、深部の筋肉支持は不十分です。傷辺縁がピンク色でやや隆起した段階で除去すべきですが、これより早く除去すると裂開しやすくなります。
- 喫煙や特定の薬剤:血流低下や炎症抑制により創傷治癒が遅れ、裂開リスクが高まります。
- 外科的ミス:縫合間隔が広すぎる、または切開部に近すぎる、過度に締め付けた縫合は強度を欠き、裂開を招きます。
- 激しい咳、嘔吐、排便時の用力:腹圧が急上昇し、縫合部に負荷がかかります。
予防・対策
- 縫合糸は適切なタイミングで除去し、傷辺縁が十分に治癒したことを確認する。
- 術後の経過観察で、血性・漿液性の分泌、疼痛、嘔吐、裂開感覚などの兆候を早期に把握する。
- 患者の年齢、傷の種類・部位に応じた個別のモニタリングを実施する。
- 喫煙者には禁煙指導、影響する薬剤の使用は医師と相談し、必要に応じて代替薬に切り替える。
継続的ケア
退院後は、激しい身体活動や無理な姿勢を避け、バランスの取れた食事で創傷治癒を促進します。自宅での創部管理方法や注意点を具体的に説明し、患者が自己管理できるようサポートします。
リスク
- 不適切な縫合(間隔が広すぎる、過度に締め付けるなど)により裂開リスクが増大。
- 激しい咳や嘔吐、排便時の用力により縫合が引き裂かれる可能性。
- 感染や血行不良が続くと、傷が開く確率がさらに高まります。
