顎関節障害(TMD)の治療法

顎関節(顎関節)は下顎骨と側頭骨をつなぐヒンジ状の関節で、耳の前方に位置します。この関節は柔軟で、噛む・話す・あくびをするなどの動きを可能にします。顎の周囲には筋肉が付着し、動きをコントロールしています。外傷、組織の脱臼、歯ぎしり、ストレスなどが原因で顎関節障害(TMD)が起こり、顎や顔面の痛み、開口制限、咀嚼困難などの症状が現れます。手術を検討する前に、まずは以下の非外科的治療を試みることが推奨されます。

マウスガード(ナイトガード・スプリント)

  • プラスチック製のマウスピースは上顎または下顎に装着します。スプリントは24時間装着可能ですが、ナイトガードは就寝時のみ使用します。歯ぎしりや食いしばりを軽減し、歯列を最も負担の少ない位置に再配置することで噛み合わせを改善します。適切なタイプは歯科医師に相談してください。

歯科治療

  • 欠損歯や過度のオーバーバイト・アンダーバイトが原因の場合、歯科医でブリッジやクラウンによる補綴、矯正装置による歯列矯正を行います。これにより顎の位置や噛み合わせが整い、TMDによる痛みが軽減されます。

痛み緩和のためのテクニック

  • 歯科医が指導するストレッチやアイシング・温熱療法を実践します。例として、顔側面(こめかみ含む)に10分間氷嚢を当て、続いて5分間温かいタオルを当てる方法があります。理学療法士による筋緊張緩和の指導や、ストレス管理も有効です。

避けるべき習慣

  • ガムや氷などの過度な咀嚼は控え、顎に負担がかかる大きな口を開ける動作(大声で歌う、あくび)もできるだけ避けます。また、電話を耳と肩の間で挟む、顎を手のひらで支えるといった姿勢も顎への圧迫になるため、やめるよう心掛けましょう。

歯を少し離す

  • 上顎と下顎の歯を軽く離すことで圧迫を和らげ、食いしばりや歯ぎしりを抑制します。舌を上下の歯の間に挟むと自然に離すことができます。

外科的治療(手術)

  • 他の治療が効果を示さない場合、以下の手術が検討されます。

    • 開放関節手術:関節全体を開いて直接視認し、関節の変性や腫瘍、重度の瘢痕を処置します。侵襲が少なく回復が早いのが特徴です。
    • 関節穿刺術(Arthrocentesis):関節内の癒着帯を除去し、ディスクが前方にずれている場合に位置を戻します。
    • 関節鏡視下手術(Arthroscopy):炎症組織を除去し、ディスクや顆(condyle)の再配置を行います。

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