歯科用X線の危険性と安全な対策

多くの人がX線検査に伴う放射線被ばくの危険性を心配しています。米国連邦政府は、年間の職業被ばく上限を5,000 mremと定めており、これは全身が年間5,000 mrem以下で安全に被ばくできる量です。一般の人は、自然放射線だけで年間約360 mremを受けています。航空機に搭乗したり、レンガ造りの建物に住んだり、屋外で過ごす時間や隣で眠ることでも、日常的に放射線にさらされています。これらの背景被ばくを考慮しても、年間で約70回のフルマウスシリーズ(全口腔撮影)を受けなければ5,000 mremに達しません。

X線とは

光やラジオ波と同様に、X線は電磁波の一種です。光やラジオ波とは異なり、X線は体内を通過できるため、細胞を損傷しやすく、がんを引き起こす変異のリスクが高まります。被ばく量が多いほど、がんのリスクも高くなります。

歯科X線の種類

歯科で使用されるX線は主に次の3種類です。

  • フルマウスシリーズ:4枚のバイトウィング撮影と14枚の根尖撮影から構成。
  • バイトウィングシリーズ:主に奥歯の状態を映す4枚の撮影。
  • パノラマ撮影:顎全体と顔面骨を一枚で捉える大きな画像。

歯科X線は顔面の限られた部位にだけ照射されるため、体全体への放射線量は極めて少なく抑えられます。

リスク

過度のX線被ばくは皮膚に水ぶくれ様のやけど痕を残すことがあります。また、長年にわたって局所的に高い放射線を受け続けると細胞が損傷し、がんの原因になる可能性があります。2005年6月に米国科学アカデミーが発表した研究では、低線量でもがんリスクがあることが示されています。英国の研究("Risk of Cancer from Diagnostic X‑rays")によれば、医療・歯科X線によって人口の約0.6%ががんを発症するとされています。さらに、卵巣や精巣への過剰な放射線は遺伝子変異を蓄積させ、子どもの先天的異常につながる恐れがあります。

メリット

リスクはあるものの、歯科X線は診断において非常に重要です。虫歯、骨折、破損、臓器の異常などを早期に発見でき、適切な治療へとつながります。結果として、患者の健康寿命が延びる大きな貢献をしています。

安全に受けるためのポイント

  • 必要最小限の撮影で済むか、パノラマ撮影だけで代替できないか歯科医に相談する。
  • 最新の機器を使用している診療所を選ぶ。古い装置は放射線量が多くなる傾向があります。
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある場合は必ず歯科医・技師に伝え、胎児への被ばくを防止する対策を講じてもらう。

歯科処置 - 関連記事