未熟児における脳室内出血(IVH)

脳室内出血(IVH)は、脳を取り囲む脳脊髄液が満たす脳室内に出血が起こる状態です。特に妊娠30週未満で出産した早産児が最もリスクが高く、出生体重が低いほど、また早産ほど発症リスクが増加します。30週未満では血管が十分に成熟しておらず、脆弱なためです。

分類

  • IVHはグレード1~4に分けられ、数字が大きいほど出血が重篤です。グレード1・2は出血量が少なく、通常は長期的な影響が少ないです。グレード3・4は大量出血で脳組織を圧迫し、脳室拡大(水頭症)やその他の長期合併症を引き起こす可能性があります。

発症時期

  • IVHは出生時にはまれで、主に生後数日以内、特に早産児で発症します。出生後1か月を過ぎての発症は極めて稀です。全症例の半数以上が出生後24時間以内に起こり、5日以降に起こるケースは5%未満です。

症状

  • 呼吸停止(無呼吸)、筋緊張低下・反射低下、過度の睡眠、無気力、吸啜力低下などが見られます。重篤な合併症としては、知的障害、脳性麻痺、けいれん、死亡などがあります。

リスク因子

  • 低出生体重、早産、母親の喫煙、逆子分娩、長時間分娩、早期破水、出生後の蘇生・挿管、呼吸窮迫症候群、気胸、感染症、体外受精などの不妊治療が挙げられます。

予防・対策

  • 現在、IVH自体を治す特効薬はありません。安定的な状態を保ち、合併症に応じた治療(例:脳室内の液体除去のための腰椎穿刺やシャント手術)を行います。予防策としては、早産リスクのある妊婦に対するステロイド投与や、母体感染症の抗生物質治療が有効です。

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