子どもの逆流性食道炎(GERD)ガイド
乳児の胃食道逆流(GERD)
乳児は食道括約筋が未熟で、逆流が起きやすいです。Reflux.org の調査によると、逆流が疑われる赤ちゃんは次のような症状を示します。
- 授乳後すぐに大量の吐戻し(普通のげっぷより多い)
- 食後1時間以上経ってからの吐戻し
- イライラしやすく、痛みやコリックの様子が見られる
- 逆流のエピソードで頻繁に目が覚める
- 口臭が強い
- 体重増加が不十分
学童・思春期のGERD
多くの子どもは成長とともに逆流が改善しますが、続く場合は以下の症状が現れます。
- 嘔吐や胸焼け
- 喉の痛み、飲み込み時の不快感
- 体重減少、栄養不良
- 肺炎や喘鳴などの呼吸器症状
- 胸やけ感(heartburn)
言葉で症状を伝えられる年齢になると、診断や治療がしやすくなります。
医師はどのように逆流を診断するか
小児の逆流診断にはいくつかの方法があります。
- バリウム造影検査:バリウムを飲んだ後、食道と胃のX線撮影で逆流の有無を確認。
- ミルクスキャン(核医学検査):放射性標識された液体を飲ませ、連続撮影で胃内の動きを観察し、逆流が肺まで達しているかを評価。
- 内視鏡検査(エンドスコピー):鎮静下で細いカメラ付きチューブを食道・胃に挿入し、粘膜の損傷を直接確認。必要に応じて組織を採取。
- pHプローブ検査:鼻から食道下部に小さなセンサーを設置し、24時間にわたる酸の逆流量を測定。
GERDがもたらす合併症
軽度の症状が多いものの、重症例では以下の合併症が起こります(KidsHealth)。
- 歯のエナメル質の侵食
- 胃内容物が気道に入り込むことによる呼吸困難や肺炎
- 食道炎、食道出血、瘢痕組織形成
逆流性食道炎の治療法
まずは生活習慣の改善が基本です。
- ベッドの頭部を30度程度上げ、水平に寝かせない。
- 授乳時は赤ちゃんをしっかり抱き上げ、背中を軽く叩いてげっぷさせる。
- 離乳食開始後は、年齢に合わせてミルクに米粉を加えるなど粘度を上げる。
- 就寝前2〜3時間は食事を控える。
- 少量・頻回の食事に切り替える。
- 炭酸飲料、チョコレート、脂肪分の高い食べ物、柑橘類など酸性・刺激性の強い食品を避ける。
生活改善だけで症状が改善しない場合は、医師の指導のもと薬物療法を検討します。小児でよく使用される処方薬は、Zantac(ラニチジン)、Pepcid(ファモチジン)、Prevacid(ラベプラゾール)、Nexium(エゾチロプラミド)などです。症状が続く場合は、必ず小児科医に相談し、最適な治療計画を立てましょう。
