子宮筋腫の原因と概要
原因
子宮筋腫の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝子、ホルモン、環境要因が組み合わさって発症すると考えられています。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが筋腫の成長を促し、妊娠中の高ホルモン状態で急速に大きくなることがあります。年齢も関与し、40歳までに約40%、50歳以上の女性の70~80%が筋腫を持っています。アフリカ系アメリカ人や肥満の女性に多く見られ、遺伝的素因は父親から娘へ受け継がれるケースも報告されています。
症状
無症状のケースもありますが、症状が出る場合は以下のようなものがあります。
- 月経時の過多出血や月経期間の延長、月経間の出血
- 骨盤部の圧迫感や痛み
- 頻尿・尿失禁、便秘
- 性交時痛、背部・下肢の痛み
- 妊娠・分娩時の合併症
- 稀に不妊や急性の激しい痛み
種類
筋腫は子宮内の位置により次のように分類されます。
- 粘膜下筋腫:子宮腔内に向かって成長
- 筋層内筋腫:子宮壁(筋層)内に位置
- 漿膜下筋腫:子宮外側に向かって成長
- 茎(茎状)筋腫:子宮表面や腔内に付着し、茎で突き出す形態
大きさ
筋腫は平滑筋組織(子宮筋層)から発生し、単一の細胞が増殖して塊を形成します。大きさは肉眼で確認できないほど小さいものから、子宮全体を変形させるほど巨大なものまで様々です。単発性のものもあれば、複数が同時に存在することもあります。
診断
定期的な骨盤診察で筋腫が疑われた場合、画像診断で確定します。主な検査は以下の通りです。
- 超音波検査(エコー)
- 磁気共鳴画像(MRI)
- CTスキャン
- 子宮卵管造影(HSG)
- 経腟超音波(ソノヒステログラム)
治療
治療方針は症状や筋腫の大きさ・位置に応じて選択されます。経過観察で様子を見る場合もありますが、主な治療法は次のとおりです。
- 薬物療法:ホルモン調整薬や痛み止めで症状緩和・筋腫縮小を狙う
- 外科手術:子宮全摘(子宮摘出術)、筋腫除去術(筋腫摘出術)
- 血管塞栓術:子宮動脈塞栓術(UAE)で血流を遮断
- 集束超音波療法:非侵襲的に筋腫を熱で破壊
いずれの方法も、患者さんの生活の質や将来の妊娠希望を考慮して最適な選択が行われます。
