高齢者への放置(ネグレクト)に関する法律

高齢者の放置は、家族内暴力や身体的虐待の中で最も一般的な形態です。食事や薬、衣類、日常生活に必要なものを提供しないことや、入浴やケアを怠ることが含まれます。連邦法は放置防止を支援し、州ごとの高齢者虐待防止法に対して連邦資金で裏付けを行っています。以下では、主な法律と権利について解説します。

連邦法

  • 最も重要な連邦法は、1987年に制定された「包括予算調整法(Omnibus Budget Reconciliation Act)」、通称「介護施設改革法(Nursing Home Reform Act, NHRA)」です。NHRAは認定介護施設の入居者に対し、虐待・放置・不当な扱いからの保護を法的に定めました。具体的な権利として、プライバシーの保護、医療情報の提供、差別なしに苦情を申し立てる権利、身体的・感情的・社会的ニーズへの配慮が含まれます。また、州による施設検査の方法が変更され、予告なしの調査や入居者へのインタビューが義務付けられました。違反した施設は罰金や一時的な閉鎖などの処分を受けます。

州法

  • 全米高齢者虐待センターによれば、各州は独自の高齢者虐待・放置防止法を持ち、成人保護サービス(Adult Protective Services, APS)を通じて介入します。APSは家族内に住む高齢者や、介護施設に入居している高齢者を対象に、身体的拘束の禁止、ケアの監視、本人がケアに参加できるよう支援することを求めています。また、感情的・身体的虐待の防止、郵便物の受取や財産管理の権利保護も規定されています。違反した場合は罰金やその他の制裁が科されます。

刑事法

  • 高齢者に対する窃盗、強姦、暴行などの犯罪は刑事事件として扱われ、証拠が揃えば有罪判決が下されます。多くの州では、介護施設で働く者に対し、暴力や性的虐待の前歴がないかを確認するためのバックグラウンドチェックが義務付けられています。

メディケアの権利

  • メディケア資金を受け取る施設は、高齢者虐待防止に関する全てのメディケア規定を遵守しなければなりません。入居者にはプライバシー・尊厳・敬意、インフォームド・コンセント、入居前の費用提示などの権利が明示され、施設はこれらの権利を文書で提供する義務があります。

高齢者ケア - 関連記事