指紋にDNAが含まれる理由とは?
人間の体のすべての細胞、指先の皮膚細胞も例外ではなく、DNA(デオキシリボ核酸)を含んでいます。DNAは全ての生物に共通する遺伝情報で、細胞核に存在し、血液や精液などの体液だけでなく、指紋にも含まれる皮膚細胞から抽出できます。指紋に付着した皮膚細胞は、物体に触れた際に自然に剥がれ落ちるため、これを利用してDNAプロファイルを作成することが可能です。
指紋に含まれるDNA
指紋は皮膚の表皮細胞が微量に付着したものです。これらの細胞からDNAを抽出できますが、オリジナルの指紋からしか取得できず、コピーされた指紋からはDNAは得られません。カナダの研究者マリア・ヴィアズニコバ氏の研究では、指紋1本から平均で約10億分の1グラムのDNAが得られると報告されています。
DNAプロファイリング
指紋から得られるDNA量は個人差があります。例えば、汗の量や皮膚の状態により、指紋に付着する細胞数が変わります。DNA診断センターによれば、従来のプロファイリング手法では約150個の核細胞が必要です。細胞数が少ない場合は「低コピー数DNAプロファイリング」という技術を用い、極少量の細胞からでもDNAプロファイルを作成できます。
DNAの採取方法
科学者はまず湿った綿棒で指紋上の細胞を拭き取り、続いて乾いた綿棒で残りの細胞を集めます。一般的に、対象物に60秒以上触れた場合に十分なDNAが採取可能です。ガラス、鏡、プラスチックや金属製の蓋など、さまざまな表面から細胞が回収されています。
考慮すべき点
犯罪捜査や医療研究では血液などの体液からDNAを取得することが主流ですが、指紋からのDNA抽出は貴重な証拠となり得ます。特に、現場で採取された髪の毛や精液など他のDNAサンプルと組み合わせることで、捜査の精度が向上します。
