医療用略語はどのように由来していますか?
ラテン語由来
医療の略語の多くはラテン語の語句やフレーズに基づいています。特に、処置の実施タイミングや頻度を示すものが多いです。例えば、検査を即座に行うよう指示する場合は「stat」と書きますが、これはラテン語「statim(すぐに)」の省略形です。処方箋やカルテでも、投薬の頻度や投与方法を示す略語が頻繁に使われます。例として、1日4回投与を意味する「q.i.d.」はラテン語「quater in die」の頭文字です。また、経口投与を示す「p.o.」は「per os(口から)」の略です。
頭字語(アクロニム)
頭字語は、複数の単語の頭文字を組み合わせて作られた略語です。検査名や体の部位、疾患、解剖学的部位など、さまざまな場面で用いられます。代表的な例として、全血球計算(CBC:Complete Blood Count)や、善玉コレステロール(HDL:High‑Density Lipoprotein)・悪玉コレステロール(LDL:Low‑Density Lipoprotein)があります。膝の前十字靭帯損傷は「ACL」、慢性閉塞性肺疾患は「COPD」、腹部左下部の痛みは「LLQ(Lower‑Left Quadrant)」と表記されます。
メートル法
医療現場では国際単位系(SI)に基づくメートル法の単位が標準的に使用されます。体重や投薬量、液体量などを示す際に、kg(キログラム)、g(グラム)、mg(ミリグラム)といった質量単位や、L(リットル)、ml(ミリリットル)、cc(立方センチメートル)といった体積単位が用いられます。また、長さはcm(センチメートル)やmm(ミリメートル)で表記されます。
問題点とリスク
略語は情報伝達を簡略化しますが、解釈の違いから医療ミスが起こる危険性があります。米国のAMN Healthcareによれば、略語の曖昧さが原因で生じるエラーが多数報告されており、Joint Commissionは「使用禁止」リストを作成し、National Patient Safety Goalsに組み込みました。各医療機関でも、誤解を招く可能性がある略語を独自に禁止することがあります。
