胃腸栄養管に関する法的指針
適格者(本人)に対する方針
スタンフォード大学医療センターのデビッド・E・ミルクス博士によれば、米国の多くの控訴裁判所の判例、米国医師会(AMA)および大統領委員会は、経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は技術的には強制給餌に該当するものの、正当な医療行為と認めています。したがって、判断能力のある患者は、胃腸栄養管の挿入を拒否する権利を有します。
無能力者に対する方針
連邦レベルで胃腸栄養管の設置・除去手続きに関する明確な法規はありません。しかし、無能力者への栄養管給餌に関する訴訟を受け、ミズーリ州やニューヨーク州などでは代理決定(サロゲート)に関する州法が制定されています。これらの州では、身体の完全性と治療の拒否権は適格者に認められ、代理人が栄養管の除去を含む治療の中止を決定できるようになっています。
代理人が決定を下すには、患者が自ら判断できる状態であれば「胃腸栄養管の給餌を中止したい」と明確に示すであろうという「明確かつ説得力のある証拠」が必要です。ニューヨーク州の「家族医療決定法(Family Health Care Decisions Act)」では、医療従事者が患者の法的無能力を判断する手続きも規定しています。2006年のテリー・シバヴォ事件後、フロリダ州知事ジェブ・ブッシュは、無能力者から栄養管を除去することを禁じる法律の制定を州議会に働きかけましたが、実現しませんでした。
事前指示(Advance Directive)
多くの州で、判断能力のある本人が事前指示書(Advance Directive)を作成できる制度が整備されています。事前指示書には、将来の医療処置に関する本人の希望や、終末期の意思決定に関する指示が記載されます。また、本人が無能力となった場合に代わりに決定を行う権限を特定の人物(配偶者や家族など)に委任することも可能です。
