ヘパリン点滴プロトコルの概要と実施手順

ヘパリンは血液をサラサラにする抗凝固薬で、肺・静脈・動脈の血栓予防や手術前の血栓リスク低減に使用されます。投与は静脈内注射で行われ、患者の状態に応じて連続または間欠的な点滴が行われます。多くの医療機関ではヘパリン点滴に関するプロトコルが策定されており、過剰投与や重篤な副作用(大量出血など)を防止しています。

1. ベースライン取得

  • APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)とPTT(部分トロンボプラスチン時間)を測定し、ヘパリン治療のモニタリングを行います。
  • CBC(全血球計算)を実施し、血液の基礎状態を把握します。PTTは凝固障害のスクリーニングに、APTTはヘパリン療法のモニタリングに使用されます。

2. 投与量と速度の計算

  • 投与量は体重ベース(例:80単位/kg のボーラス)や臨床的状況(例:脳卒中後)で決定されます。最終的な投与量は医師が患者個別に判断します。
  • 例として、オレゴン健康科学大学のプロトコルでは、実測体重に基づき80単位/kg のボーラス投与後、18単位/kg/時の持続注入を開始します。年齢・性別も投与量調整の要因となります。

3. CBC・APTT・PTT の定期確認

  • CBC は施設によっては毎日、あるいは2〜3日ごとに測定します。
  • APTT と PTT は点滴開始後6時間後に測定し、治療範囲内に収まっているか確認します。医師の指示により、治療範囲内の値が2回連続で得られるまで検査を継続することがあります。

4. 出血の兆候と症状のチェック

  • 注射部位の軽度の痛みや刺激は一般的ですが、黒色または血便、歯茎からの出血、咳による血液、鼻血、ふくらはぎや脚の痛み・しびれ、胸痛、切り傷からの過剰出血などの重篤な症状が現れた場合は直ちに医療スタッフに報告してください。

ヘルスケア業界(一般) - 関連記事