皮下注射針(ヒポデーミックニードル)とは?
定義
ヒポデーミックニードルは、シリンジに接続された中空の針です。このシンプルな構造から、様々な医療手技に合わせた多数のバリエーションが生まれました。語源は「hypo(下)」「dermic(皮膚)」で、文字通り「皮膚の下」に刺すことを意味します。
歴史
体内に物質を注入する行為は古代から行われてきましたが、静脈内注射が一般化したのは比較的近代です。1600年代に静脈注射の記録がありますが、現在の形に近いヒポデーミックニードルが初めて考案されたのは1853年です。当初は大型で痛みを伴うものでしたが、1960年代に使い捨てタイプが登場し、1970年代に広く普及しました。使い捨て針は小型で痛みが軽減されています。
種類
ヒポデーミックニードルは用途に応じて様々なタイプがあり、サイズはゲージ(径)で表します。一般の方が最も馴染み深いのは、23ゲージや25ゲージの使い捨て針で、インスリン注射などに使用されます。吸引や洗浄用の針は長さやゲージが異なり、目的に合わせて選択されます。
用途
皮下注射や静脈内注射はもちろん、体内の液体を吸引する際にも使用されます。また、白内障手術や深部創傷の洗浄にも利用されます。
最も議論の多い用途は、薬物乱用です。静脈内注射は薬物を血流に速やかに届けるため、麻薬の乱用に利用されました。針の共有は感染症拡大のリスクを高め、マラリアが最初に報告された疾患で、現在はHIV感染拡大が深刻な問題となっています。
規制
ヒポデーミックニードルの販売・所持に関する規制は州ごとに異なります。多くの州では医師の処方が必要ですが、HIV感染防止の観点から規制緩和を求める声もあります。処方なしでの所持を「薬物関連器具」とみなす州もあり、違反すると罰則が科せられます。
