デジタル医療記録管理への移行手順
はじめに
2011年3月の『カンザスシティ・スター』によると、米国の医師の80%はまだ紙の医療記録を使用しています。しかし、2009年に政府は医療機関が紙から電子へ移行することを促すため、200億ドル規模の刺激策を承認しました。電子医療記録(EMR)への円滑な移行を実現するには、計画的なプロセスが不可欠です。本稿では、米産婦人科医会(ACOG)が提唱する4つのステップをご紹介します。
デジタル医療記録管理への移行手順
1. 準備状況の評価
まず、スタッフが変化に対してどの程度受け入れ可能かを評価します。全従業員にアンケートを実施し、認識や懸念点を把握することで、文化的・運用上の障壁を早期に特定し、リスクと投資効果を予測できます。
2. 目標・ビジョン・ミッションの策定
評価結果を踏まえて、具体的な目標を設定します。単にEMRを導入するだけか、患者や医師が遠隔で記録にアクセスできるようにするかなど、目的を明確にします。その上で、紙のないオフィスを実現するビジョンや診療パフォーマンス向上といった長期的なビジョンを描き、プロジェクトの範囲・関係者・期待効果を示すミッションステートメントを作成します。
3. 指標の設定と測定開始
現在の紙ベースの業務と電子化後の業務を比較できる指標を決め、定量的に測定します。例として、紙のカルテを探すのに要する時間や、記録入力にかかる工数などを計測し、電子化によってどれだけ改善できるかを数値で示します。
4. ワークフローの再設計
上記の評価・目標・指標をもとに、既存の業務フローを見直します。紙ベースで必要だった手順は不要になることが多く、これらを廃止または統合し、電子記録に最適化した新しいワークフローを構築します。結果として、処理速度の向上、コスト削減、患者安全性と医療品質の向上が期待できます。
まとめ
これらのステップを順守すれば、医療機関は円滑に電子医療記録へ移行でき、長期的な運用効果と患者ケアの向上を実現できます。
