EHR(電子健康記録)導入の方法と要件

概要

2008年、米国の医療費は2兆ドルを超えました。翌年、オバマ大統領は米国回復・再投資法(ARRA)に署名し、医療情報技術の普及を通じて医療費高騰の抑制を目指す条項を盛り込みました。その中核となるのが電子健康記録(EHR)です。ARRA配下のHITECH法は、政府が定める基準に従ってEHRを導入・活用する医療機関に対し、金銭的インセンティブを提供します。2014年以降、基準に沿わない機関はメディケア・メディケイドからの診療報酬が減額されます。

監督機関

EHR普及を促進する連邦プログラムは、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)と国立健康情報技術調整官(ONC)が共同で運営しています。ONCはEHRシステムが満たすべき標準と認定基準を策定し、CMSはインセンティブ支給のために「有意義な利用(Meaningful Use)」を実証する最低要件を定めています。

認証

EHRシステムは連邦要件を満たすことが認証されなければなりません。ONCは認定テスト・認証機関(ONC‑ATCB)を指定し、これらの機関がシステムの技術的機能を検証し、CMSの有意義な利用基準に適合しているかを判断します。

有意義な利用(Meaningful Use)

2010年7月、CMSは有意義な利用に関する最終規則を公布しました。インセンティブを受け取るには、医療機関がEHRを「有意義に」活用し、健康情報の交換や臨床指標の報告を行っていることを示す必要があります。

有意義な利用は3段階に分かれ、第一段階(ステージ1)は2011〜2012年に実施されました。ステージ1では、データの取得・共有に関する20項目(うちコア要件15項目)を満たす必要があります。医師は10項目のうち5項目を選択可能で、病院は19項目(うち必須14項目)を満たす必要があります。また、医師は6つ、病院は15の臨床品質指標の報告が求められます。

インセンティブとペナルティ

認証済みEHRを有意義に活用している医師や病院は、メディケアとメディケイドからインセンティブ支給の対象となります。病院は両制度から、医師はいずれか一方から支給を受けます。支給額は導入時期に応じて減少し、導入が遅れるほど支給額は少なくなります。2015年以降、認証EHRを持たない機関はメディケアの診療報酬が減額されます。

ヘルスケアマネジメント - 関連記事