ユニット・オブ・ユース包装の導入について

ユニット・オブ・ユース包装(単位使用包装)とは、処方薬を1回分ずつ個別包装し、30日分の薬を30個の小袋に分けて提供する方式です。米国では従来、薬は大容量の容器で供給され、薬局で小分けされていましたが、世界の多くの地域ではすでにこの個別包装が主流です。本稿では、米国における導入の歴史・課題・解決策・将来展望を整理します。

歴史

米国の調剤慣行は長らく大量包装が基本でした。薬局はメーカーから大容量容器で薬を受け取り、瓶やボトルに分けて提供してきました。一方、他国では同一メーカーが単位使用包装を採用しているケースが多く、米国だけが例外的に大量包装を続けています。したがって、米国内での単位使用包装導入は、長年のビジネス慣行を変える大きな転換点となります。

導入に関する考慮点

主な障壁は「転換コスト」です。新しい包装機械の導入やライン変更には一時的な資本支出が必要です。政府の規制や強制力がなければ、経済的に有利と判断されなければ導入は進みにくい状況です。米国食品医薬品局(FDA)は、偽造薬対策として単位使用包装の義務化を検討しましたが、抑止力としては不十分と結論付けました。

解決策

薬剤師は従来、個別包装が導入されると自らの役割が縮小すると懸念していました。実際、薬が既に個別包装された状態で届くと、単に受け渡すだけになるとの見方です。しかし、米国薬剤師会(APhA)は安全性向上、患者の服薬遵守率向上、業務効率化の観点から単位使用包装を支持しています。薬剤師は包装された薬の適切な使用指導や副作用チェックといった付加価値サービスにシフトできるため、役割はむしろ拡大すると考えられます。

将来展望

Healthcare Packaging が指摘するように、一定の需要が集まれば「転換点(tipping point)」が訪れ、業界全体での導入が経済的に成立します。Walmart などの大手小売チェーンが大量に単位使用包装を求めれば、市場は急速に変化します。偽造薬防止や、事前に包装された薬は患者が全量を服用しやすいという利点も、導入を後押しする要因です。転換点が到達すれば、単位使用包装はやがて標準的な流通形態になるでしょう。

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