双極性障害の診断と治療

DSM‑IV‑TR(診断統計マニュアル)では、双極性障害を極端な気分変動を伴う気分障害と定義しています。患者は躁状態と抑うつ状態が交互に現れ、両状態の間に安定期が入ります。本稿では、双極性障害の症状、サブタイプ、薬物療法、心理療法について解説します。

躁状態(マニア)

躁状態では、エネルギーが高まり、話し方が散漫になり、さまざまなプロジェクトに手を出したくなります。危険な行動や過剰な活動に走ることがあり、制御できない場合は自傷・他傷や法的問題につながることもあります。治療中・未治療でも妄想や幻覚が現れることがあり、過度の性的衝動や、興奮を鎮めようとする抑制剤の乱用が見られることがあります。軽度の躁状態(軽躁)は、エネルギーは高いものの比較的コントロールしやすいです。

抑うつ状態

抑うつエピソードは、DSM‑IVで定義される大うつ病性障害に類似しています。死や自殺への反復的な思考、極度の疲労や不眠、過度の罪悪感が主な症状です。躁期の行動の結果に対する後悔から抑うつが起こることもあります。患者は落ち着きがなくイライラすることがあり、自己鎮静として覚醒剤などの薬物に依存することがあります。

サブタイプ

双極性障害には症状と期間に応じていくつかのサブタイプがあります。

  • 双極II型:躁状態ではなく軽躁が現れ、抑うつエピソードが長く続く。
  • 循環性(サイクロチミック)型:軽躁と抑うつが短期間で交互に現れ、安定期は最大でも2か月。
  • 迅速サイクル型:12か月間に4回以上の気分変動が起こり、週単位・日単位・時間単位で変動することもある。

薬物療法

診断後は症状管理のために薬物が用いられます。躁状態の過剰な神経活動を抑えるためにリチウムやデパケート(バルプロ酸)などが使用され、妄想や幻覚の軽減にも効果があります。抑うつ期には、セロトニンやドーパミンの濃度を上げる抗うつ薬が処方されます。睡眠障害がある場合は、Xanax(アルプラゾラム)などの抗不安薬が併用されることがあります。

心理療法

薬物療法に加えて、心理療法と精神教育が重要です。専門家は患者に脳の変化や対処法を説明し、患者だけでなく家族も参加する治療を提供します。たとえば、家族焦点療法(Family‑Focused Therapy)では、家族全員がカウンセリングを受け、各自の役割や支援方法を明確にします。

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