記憶障害の種類

記憶障害は誰にでも起こり得る問題で、外傷、病気、加齢などさまざまな要因が関与します。アルツハイマー病のように病気が進行すると記憶喪失が顕著になることもありますが、加齢に伴う軽度の忘れやすさも一般的です。どのような形の記憶障害であっても、本人にとっては受け入れがたいものです。

健忘症(アムネジア)

人間の記憶は宣言的記憶(エピソード記憶と意味記憶)と手続き記憶に大別されます。健忘症は短期記憶や長期記憶のいずれかが障害される状態で、外傷性のものは事故や頭部外傷の直前の出来事が失われることが多いです。前向性健忘の場合、外傷以降の出来事を思い出すことができません。健忘は一時的な場合もあれば、永続的に残ることもあります。

認知症

認知症は病的な変化により記憶や認知機能が低下する症候群で、進行性かつ多くの場合不可逆的です。高齢者の認知症の主要因の一つはレビー小体病で、脳内に異常タンパク質が蓄積します。他にも脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンチントン病、ピック病、進行性核上性麻痺などが認知症を引き起こします。腫瘍や代謝異常、アルコール依存、特定薬剤の副作用など、原因が早期に判明すれば治療可能なケースもあります。

コルサコフ症候群

コルサコフ症候群はチアミン(ビタミンB1)欠乏による栄養性障害で、短期記憶は保たれるものの、長期間にわたる学習や新しい情報の定着が著しく障害されます。時間感覚が乱れ、実際の出来事と文脈のない記憶が混在します。CT検査では前頭葉の皮質萎縮が認められることが多いです。チアミン補給により、記憶障害は時間とともに改善することがあります。

軽度認知機能障害(MCI)

軽度認知機能障害は、加齢に伴う自然な記憶低下を超え、認知症やアルツハイマー病の前段階と考えられます。記憶だけでなく、言語、思考、判断力にも軽い低下が見られ、日常生活に大きな支障はありませんが、将来的に認知症へ進行するリスクが高まります。

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