ADHDの子どもに必要な栄養と食事のポイント
注意欠陥・多動性障害(ADHD)は米国だけで200万人以上の子どもが罹患しています。主な症状は落ち着きのなさや集中力の低下です。薬物療法が一般的ですが、最近は食事や栄養の見直しで症状を和らげようとする保護者が増えています。以下では、ADHDの子どもに特に効果が期待できる栄養素と、実際に取り入れやすい食事例をご紹介します。
Omega-3(オメガ3)
イギリス・オックスフォード大学の研究では、ADHDの子どもに脂肪酸を追加した食事を与えると症状が有意に改善されたと報告されています。西洋の食生活は他の脂肪酸に比べてオメガ3が不足しがちです。オメガ3の豊富な食品は、サーモン、イワシ、サバなどの青魚です。ただし、子どもに魚を毎日食べさせるのは難しい場合があります。そこで、フラックスオイル(亜麻仁油)を活用すると良いでしょう。味が苦手な場合は、ヨーグルトやスムージーに混ぜる、エッグサラダやツナサラダに加える、またはメープルシロップと1:1で混ぜて自然な甘味料として利用できます。
タンパク質
脂肪酸が体内で働くためには、必須アミノ酸が必要です。アミノ酸はタンパク質から供給されます。特に朝食にタンパク質を多く含む食事を取ると、集中力が向上し、エネルギーの過剰な発散を抑えられます。砂糖が多いシリアルやパンケーキの代わりに、卵、ベーコン、ソーセージ、ヨーグルト、またはピーナッツバターを塗ったトーストなどを選びましょう。
鉄分
米国とフランスの研究では、ADHDと鉄欠乏の関連が示唆されています。ADHDと診断された子どもの約3割が鉄分不足で、鉄分が低いほど症状が重くなる傾向があります。ただし、現在(2024年時点)までに鉄サプリメントが直接ADHD症状を軽減するという確固たるエビデンスはありません。過剰な鉄は健康に重大なリスクをもたらすため、サプリメントを始める前に血液検査で鉄欠乏があるか確認しましょう。
食物アレルギー
ADHDの子どもは、見た目には症状が出ない食物アレルギーを抱えていることがあります。アレルゲンが体内でビタミンやミネラル(鉄、亜鉛など)の吸収を妨げると、結果的に注意力や行動に影響が出ます。主な疑いのあるアレルゲンは、ピーナッツ、卵、乳製品、酵母、大豆、トウモロコシ、小麦、人工保存料や着色料です。アレルギー検査を受け、問題のある食品を除去すると症状が改善するケースがあります。
薬物療法との併用
栄養でADHDを改善しようとする親が増える一方で、医師は薬物治療を急に中止しないよう警告しています。オメガ3はADHDの有無に関わらず食事に取り入れる価値がありますし、鉄欠乏が確認された場合は適切に補正すべきです。タンパク質はどの食事にも欠かせませんし、食物アレルギーの有無をチェックすることも有益です。ただし、これらの栄養介入が症状をどれだけ軽減できるかは研究結果が一致していません。必ず担当医と相談した上で、薬物療法を継続するかどうか判断してください。
