解離性健忘症の診断手順
解離性健忘症とは
解離性健忘症は、特定の外傷的出来事に関連した記憶が失われる状態です。記憶喪失は長期間にわたり、通常の忘却をはるかに超えます。単なる健忘とは異なり、失われた記憶は脳内に残っているものの、意識的に呼び出すことができません。解離性健忘症は、解離と呼ばれる心理障害の一種です。
診断の手順
- 精神状態の評価
患者は覚醒していて時間・場所・人物に対する指向性が保たれているが、論理的な話し方はやや遅くなることがあります。注意力は限定的で過活動や極端な遅延は見られません。遠期記憶は概ね保持されていますが、最近の記憶が軽度に障害されていることがあります。 - 解離性障害を示す所見の確認
不安気味の情動と収縮した情動表出が一般的ですが、概念的な組織化は保たれます。一方で、推論力や判断力が低下していることがあります。 - 自殺・暴力的思考の有無
解離による強いフラストレーションから自殺念慮や他者への攻撃的思考が現れることがあります。必要に応じて安全対策を講じます。 - リスク要因の把握
戦争体験者、児童虐待の被害者、拷問経験者、強制収容所の生存者、自然災害の被災者など、外傷歴が豊富な患者は解離性健忘症のリスクが高くなります。外傷の程度がリスクに直結します。 - 他の健忘症との鑑別
物質使用による記憶障害は徐々に進行し、断片的であるのが特徴です。一方、解離性健忘症は突然かつ全体的に記憶が失われます。患者が物質使用を理由に挙げる場合は、複数の情報源から確認し、正確な鑑別を行います。
以上の手順を踏むことで、解離性健忘症の診断が可能です。
