化学的不均衡の検査
正常なヒトの脳には膨大な数の神経細胞(ニューロン)が存在し、思考・感情・行動を通じて相互に情報をやり取りしています。このやり取りは、脳内で自然に生成される神経伝達物質によって行われます。主な神経伝達物質はセロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン、γ-アミノ酪酸(GABA)の4つで、いずれも「正常」な濃度で機能しています。これらの濃度が正常範囲を超えるか下回ると、脳は化学的不均衡状態にあるとされます(National Center for Health and Wellness, 2006)。
化学的不均衡はいつ検査されるのか
2009年時点では、化学的不均衡を直接測定する決定的な検査は存在しません。医療分野では陽電子放射断層撮影(PET)などの検査が研究段階で利用されていますが、診断目的での使用は設備が限られ高額であるため一般的ではありません。そのため、検査の実施は患者が精神科医や心理士を受診した際に示す症状や行動変化に基づいて判断されます(Carver, 2009)。
化学的不均衡はどのように検査されるのか
主に精神科医や臨床心理士が、思考・行動・感情・認知・言語の変化を観察し、精神障害の兆候を評価します。これらの変化は神経伝達物質の異常を示唆し、間接的に「化学的不均衡」の有無を判断する材料となります。PETスキャンなどの画像診断は研究や特定のケースでのみ用いられ、日常的な診断手段ではありません。
なぜ化学的不均衡を検査するのか
化学的不均衡は統合失調症、双極性障害、うつ病など多くの精神疾患の根本原因と考えられます。正確に特定することで、適切な薬物療法や医師の指導が可能になります。薬は不足または過剰な神経伝達物質のバランスを正常化し、症状の改善を目指します(Carver, 2009)。
