黒人男性における主な健康リスク

米国保健福祉省(HHS)は、少数民族が慢性疾患を発症しやすいという事実を受け、少数民族健康局(Office of Minority Health, OMH)を設置し、健康傾向の調査と教育を行っています。その研究により、黒人コミュニティは特定の深刻な慢性疾患のリスクが高いことが明らかになりました。遺伝的要因、文化的慣習、生活様式のいずれか、あるいは複合的な影響により、黒人男性は以下の疾患で死亡率が高くなっています。

心臓疾患

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、心臓疾患は黒人男性の死亡原因の第1位です。OMHのデータでは、診断率は白人男性より低いものの、死亡率は30%高くなっています。また、高血圧(ハイパーテンション)も罹患率が高く、遺伝的素因や生活習慣が関与すると考えられます。主なリスク要因は肥満、運動不足、喫煙、飽和脂肪酸の多い食事です。

脳卒中

脳への血流が遮断または破裂すると脳卒中が起こります。黒人男性は白人男性に比べて脳卒中による死亡率が約60%高く、生存した場合でも障害が残る確率が高いです。家族歴、心臓疾患、糖尿病、高コレステロール、喫煙、運動不足などがリスク要因です。

がん

がんのリスクは遺伝、環境、生活習慣に左右されます。黒人男性に多いがんは肺がん、前立腺がん、胃がんです。特に胃がん、前立腺がん、結腸がんの死亡率は白人男性より高く、主な要因は低い社会経済的地位と医療保険の未加入です。その結果、早期診断や早期治療が受けにくく、予後が悪化します。

糖尿病

遺伝と生活習慣のどちらが主因かは一概に言えませんが、黒人男性は不健康な食事、運動不足、肥満、高コレステロール、高血圧といったリスク要因が多く、糖尿病罹患率が高いです。2002年の統計では、黒人男性は白人男性の約2倍の割合で末期腎不全(糖尿病による)治療が必要とされています。また、切断や視覚障害など合併症のリスクも高いです。

HIV/エイズ

2007年のデータでは、黒人男性のHIV/エイズ罹患率は白人男性の約7倍、死亡率は約9倍と報告されています。主な感染経路は他の男性との無防備な性行為です。文化的に性の話題がタブーとされ、情報共有や予防対策が十分に行われないことが要因と考えられます。また、感染に対するスティグマが根強く、検査や治療へのハードルが高いのも問題です。

地域の健康 - 関連記事