油流出清掃に利用される細菌の名前
油流出は単なる汚染ではなく、野生生物や環境全体に深刻な危険をもたらします。その除去は困難ですが、近年、科学者は油を分解(「食べる」)するバイオレメディエーション剤の研究を進めています。代表的な油分解細菌を以下に紹介します。
遺伝子組換え・シュードモナス属(Pseudomonas)
最も有名な「油を食べる細菌」の一つは、微生物学者アナンダ・モハン・チャクラバーティが遺伝子組換えしたシュードモナス属の菌株です。1980年、米国特許局長官がこの菌株の特許取得を争い、最高裁はチャクラバーティの権利を認めました。その後、1989年のエクソン・バルデズ号油流出事故でも、この菌が大きく貢献しました。
アルカニボラックス・ボルクメンシス(Alcanivorax borkumensis)
アルカニボラックス・ボルクメンシスは、自然界の海水中に生息し、油炭化水素のみをエネルギー源とする細菌です。通常の海水ではほとんど検出されませんが、油で汚染されると急速に増殖します。2006年にゲノムが解読され、その特性が詳しく研究されています。「世界的に重要な細菌」と評価されています。
SpillRemed(スピルレメド)
SpillRemedは米国企業サルバ・バイオ・レメドが開発した商業用油流出除去製品です。Pseudomonas pseudoalkaligenes や Phenylobacterium immobile といった油分解細菌を含み、油を二酸化炭素と水に分解します。分解が完了すると、栄養源がなくなり細菌は死滅します。2010年に米国環境保護庁(EPA)の国家緊急対策計画にバイオレメディエーション剤として採用されました。
