小児トリアージの概要と実践ガイド

概要

トリアージはフランス語の「trier」(分別する)に由来し、複数の負傷者がいる現場で最も重症者を迅速に特定し、優先的に救助する手法です。1790年代にナポレオン戦争でフランス外科医ドミニク・ジャン・ラルニーが初めて実践しました。

トリアージの種類

最も一般的なのは「Simple Triage and Rapid Treatment(START)」方式で、1983年にホーグ病院とニューポートビーチ消防署が開発しました。STARTは成人向けに設計されており、被災者が質問に答えられるかどうかで判定します。成人向けの他の手法としては、ビル・サッコ博士が提案した「Saccoトリアージ法」もあります。

しかし、成人向けのシステムは子どもには適用できません。1995年にルー・ロミグ博士が「JumpSTART」方式を導入し、1歳から8歳の子どもに特化したトリアージ基準を定めました。

歴史

ルー・ロミグ博士は、マイアミ小児病院(1989年在籍)で、子どもの生理的特徴や応答能力の違いに着目し、成人用STARTとは別に子ども用トリアージ「JumpSTART」を開発しました。子どもは基本的な指示に従えないことが多く、体の反応も異なるため、成人用基準をそのまま適用すると適切な判断ができません。

時間枠(ゴールデンアワー)

外傷患者の救命には「ゴールデンアワー」と呼ばれる、現場から手術室まで1時間以内に搬送することが重要です。小児トリアージでは、救急隊員が1分以内に子どもの重症度を判定し、色コードで分類します。緑=軽傷、黄=治療を少し遅らせても良い、赤=即時救助が必要、黒=死亡または救命不能です。

メリット

JumpSTARTは感情に流されず、客観的な判断基準を提供します。救急隊員は「頭で考え、心で感じる」ことを求められ、最も生存可能性の高い子どもに資源を集中させ、救命率を向上させます。

小児トリアージのイメージ
小児トリアージは多数負傷者がいる現場で重症児を優先的に救助するための指針です。

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