緊急時トリアージガイドライン
概要
トリアージはフランス語の「trier」(分類する)に由来し、複数の負傷者がいる現場で最も重症者を迅速に特定する手法です。1790年代、ナポレオン戦争中にフランス外科医ドミニク・ジャン・ラルレイが初めて体系化しました。
トリアージの種類
緊急トリアージの目的は、最も必要とする人に迅速に医療支援を提供することです。最も一般的なのは「Simple Triage and Rapid Treatment(START)」方式で、1983年にカリフォルニア州ニューポートビーチのフーグ病院と消防署が開発しました。呼吸、脈拍、意識状態の簡易評価に基づき、子ども用バージョンもあります。米国疾病予防管理センター(CDC)も現場トリアージシステムを提供しており、外傷患者を適切な治療施設へ迅速に搬送することに重点を置いています。
実施時間の目安
START方式を使用すれば、訓練された救急隊員は1分以内に各患者を評価し、4色のタグで分類できます。歩行可能で会話できる者は緑タグ、重症で呼吸が止まっている者は黒タグ(死亡)とします。呼吸はあるが意識がなく脈拍が弱い者は赤タグ(即時処置)、意識はあるが治療は後回しで良い者は黄タグとします。
トリアージの効果
外傷患者(交通事故やテロなど)に対しては「ゴールデンアワー」―事故現場から手術室まで1時間以内に搬送すること―が重要です。トリアージはこの時間内に適切な施設へ送ることを支援し、死亡リスクを約25%低減させるというCDCの研究結果があります。
留意点
トリアージは救急隊員に命に関わる判断を短時間で求めます。最も救える患者に優先的に支援を行う一方、致命的な傷を負ったと判断された患者は後回しになる可能性があります。
