カリフォルニアの蛾(モス)識別ガイド

カリフォルニア州には、未知の蛾を特定するための蝶・蛾協会や、オンラインデータベースを提供する機関が多数あります。カリフォルニア大学バークレー校のデータベースだけでも数百種の蛾が掲載されており、米国農務省(USDA)も農業被害防止の観点から蛾の識別情報を提供しています。

農業害虫

  • カリフォルニアは農業が盛んな州であり、さまざまな害虫が問題となります。その中でも定着が確認されている代表的な種は、オーストラリア原産のブラウンアップルモスです。光沢のある淡褐色で黄味がかかった体に濃い褐色の斑点があり、約250種の植物を食害します。商業用苗木に被害を与えてきました。その他、ブドウの果実を内部から食い荒らすヨーロッパブドウモスや、乾燥果実を襲うレーズンモスも農業に大きな影響を与えています。

住宅害虫

  • カリフォルニアで家庭内に侵入し、絨毯やラグ、毛皮、衣類、家具などの繊維製品を食い荒らす代表的な蛾は、ウェビングクロスモスとケースメイキングクロスモスです。飛行は弱く、被害が顕在化するまで気付かれにくいのが特徴です。ウェビングクロスモスは翼幅約1.3cm、体長約0.6cmで、金色の体に頭部に赤い毛があります。ケースメイキングクロスモスは同サイズながらやや褐色で毛は淡色です。どちらも光に誘引されません。

外来種の蛾

  • 近年、国境を越えて新たな蛾がカリフォルニアに持ち込まれるケースが増えています。2007年にロサンゼルス郡で初めて確認された Glyphodes onychinalis(通称ミステリーモス)は、オーストララシア原産で、幼虫はカリフォルニアで人気の観賞植物オレガンドを食べます。2000年にニューポートビーチで同種の大発生が報告されましたが、その後定着は確認されていません。現在確認された個体は、別の導入事例と考えられています。

絶滅危惧種の蛾

  • カーン・プリムローズ・スフィンクス(Kern Primrose Sphinx)は、一時絶滅とみなされていましたが、1974年にカリフォルニア州カーン郡で再発見され、連邦レベルで保護対象に指定されました。昼行性で翼幅約7.5cm、前翅は灰色に黒白の模様があります。産卵はオオバコ属の夕顔(evening primrose)の亜種に行い、成虫はフィラリー、カリフォルニア・ゴールドフィールド、ベビーブルーアイズ、二色ルピンなどを吸蜜します。生息域はウォーカー盆地の私有牧場に限られ、栽培大麦畑や乱開発地の植生が重要な生息環境です。

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