未処理水に潜む危険とは?

未処理の水は細菌、微生物、ウイルスなどの有害な微生物が繁殖しやすい環境で、毎年約170万人が飲料や入浴用の水が原因で疾病にかかり、特にサハラ以南のアフリカや南アジアで子どもたちの死亡が多く報告されています。

細菌:コレラと赤痢(シゲラ症)

  • コレラはVibrio cholerae が原因で、急性の下痢が主症状です。治療しないと数時間で死に至ることもあり、年間10万〜12万人が死亡しています。潜伏期間は2時間から5日と短く、清潔な水と衛生環境が欠如している地域で流行しやすいです。

  • シゲラ症(赤痢)はシゲラ属細菌による血性下痢で、年間約110万人が死亡し、死亡者の60%が5歳未満の子どもです。主な菌種はS. sonnei、S. flexneri、S. dysenteriaeです。合併症として腹膜炎、敗血症、腎不全が起こります。

微生物:クリプトスポリジウムとジアルジア

  • クリプトスポリジウムは未処理水を介して感染する寄生性原虫で、卵子(オーシスト)は世界中の水域に存在し、糞汚染の程度と水利用に比例します。オーシストは消毒に強く、主症状は下痢、腹痛、嘔吐、軽度の発熱で、症状は約7〜14日続きます。脱水が重篤になると死亡リスクが上がります。

  • ジアルジアは鞭毛を持つ原虫で、糞便中のシストが水に混入し感染します。下痢、倦怠感、体重減少、腹痛を引き起こします。

ウイルス:胃腸炎とA型肝炎

  • 胃腸炎は未処理水を通じてウイルスが感染し、特に1〜5歳の幼児や60歳以上の高齢者で重症化しやすいです。症状は水様性下痢、腹痛、食欲不振、発熱、嘔吐などで、健康な成人では2〜5日で回復しますが、疲労感が残ることがあります。

  • A型肝炎は肝臓の炎症を起こすウイルス性疾患で、汚染水が感染経路です。初期は発熱、倦怠感、嘔吐、下痢、食欲不振といったインフルエンザ様症状が現れ、後に黄疸や濃い尿が出ることがあります。

治療と予防

  • コレラには経口補水塩が有効で、他の細菌性疾患や原虫感染にはワクチンや薬物治療が利用できます。A型肝炎は抗ウイルス薬で治療可能です。胃腸炎は軽症の場合は対症療法で済みますが、重症時は医療介入が必要です。何よりも、清潔な水の確保と適切な衛生環境が最も重要な予防策です。

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