繊維染料廃水の影響と環境リスク
繊維産業は印刷や染色の過程で大量の水を使用し、その結果、インドなどの開発途上国では大量の廃水が淡水源に流入しています。この廃水にはインディゴやアゾ染料、重金属、漂白剤、酸などが含まれ、すべての生物に対して極めて有毒です。
淡水魚への影響
2006年10月号の「Journal of Environmental Biology」に掲載された研究では、淡水魚Gambusia affinis(モスキートフィッシュ)への影響を調査しました。未処理の廃水は赤血球(RBC)の形状とサイズに有意な変化をもたらし、今後の魚類全体の毒性モニタリングにこれらの指標を含めることが推奨されています。
繁殖への影響
2005年3月号の「Reproductive Toxicology」に掲載された研究では、未処理の繊維染料廃水がラットの体重と生殖器官の重量に与える影響を調べました。未処理廃水を摂取した群は体重が著しく減少し、生殖器官は最大44%縮小、総タンパク質は最大70%、コレステロールは最大91%減少しました。
繊維工場からの汚染
2007年1月の「Australian Journal of Ecotoxicology」によると、インドの農村部サナガー町には約400の小規模繊維工場があり、1日当たり260万ガロン以上の廃水が灌漑用の貯水池や排水溝に流入しています。この廃水は食物連鎖に入り込み、インド全土の環境汚染の主要因となっています。
繊維加工における汚染物質
2007年8月号の「Chemosphere」に掲載された研究では、染料や染色工程で使用される化学物質が主な毒性源であることが示されました。大量の塩酸・硫酸、強アルカリ性のナトリウム酸化物・シリコン酸化物、重金属銅などが検出され、これらは染料自体よりもはるかに毒性が高いと結論付けられました。
