地表近くのオゾン濃度と温度の関係
太陽光と熱が、窒素酸化物や揮発性有機化合物(VOC)と反応すると、地表近くにオゾンが生成されます。オゾンは酸素原子3つで構成されたガスで、地表上空の成層圏にも存在します。自動車や化石燃料を燃やす発電所から排出される大量の窒素酸化物やVOCが、地表オゾン(スモッグの主成分)を生み出します。
天候の影響
強い日光と高温は、空気中に窒素酸化物と揮発性有機化合物があるとき、オゾン濃度を上昇させます。自動車が多い道路や工場が集中する地域では、日の出とともにオゾンが生成され始め、最も高い濃度は日中の最も暑い時間帯にピークを迎え、日没後に急激に低下します。曇りや涼しい日はオゾン生成が抑えられます。オゾン濃度は夏の高温期に最大となり、日照が少ない冬季には最低になります。
温度逆転
通常、地表付近の空気は上空より暖かく、暖かい空気は上昇するため、地表の汚染物質は上空の冷たい層へと拡散します。しかし、温度逆転が起こると、上空に暖かい層ができ、地表付近の冷たい空気が上昇できなくなります。その結果、地表オゾンが大気中に閉じ込められ、時間とともに濃度が蓄積し、濃厚な汚染が発生します。
オゾンの良し悪し
オゾンは存在する場所により影響が異なります。成層圏上部では有害な紫外線を吸収し、皮膚がんなどから人々を守ります。一方、地表付近のオゾンは人体・作物・生態系に有害です。オゾンを吸い込むと肺がダメージを受け、喘息が悪化し、呼吸器感染症に対する免疫力が低下します。米国環境保護庁の推計では、地表オゾンによる農作物の収量減少は年間約5億ドルに上ります。
