有害塗料のメリットとデメリット
「有害(toxic)」とは、有毒な物質が含まれていることを意味します。塗料の歴史の中で、かつては多くの有害物質が使用されてきましたが、健康への影響が明らかになると次第に使用が禁止されました。有害塗料には多数の欠点がありますが、船舶の底面塗料など、限定的な用途でわずかな利点が見られることがあります。
欠点:人間への健康被害
- 鉛はかつて塗料に広く添加されていましたが、紀元前100年頃のギリシャ医学書でも鉛中毒が記録されています。米国消費者製品安全委員会は1970年代後半に許容濃度を0.06%(ppm)に引き下げましたが、古い住宅の壁面には依然として鉛含有塗料が残っており、子どもや住人の健康を脅かしています。
欠点:環境への汚染
- 雨水は塗料中の有害物質を溶出させ、河川や湖、海へ流れ込みます。カリフォルニア州サンタローザ市の調査によると、塗料・油・化学薬品が混ざったランオフは重大な汚染源です。また、リフォーム時に出る残塗料は埋立地へ運ばれ、土壌汚染の原因にもなります。
欠点:二次的なコスト負担
- 有害塗料による健康被害や環境浄化には多大な費用がかかります。ミネソタ州の湖沼浄化費用は最低でも1200万ドルに上り、汚染が長期にわたって続く限り費用は止まりません。
半利点:船舶底面防汚塗料
- 船舶は常に水中にあるため、付着生物(フジツボやムシ貝)が船体に付くと重量が増し、航行安全が損なわれます。その対策として、銅・銅酸化物・酸化錫を主成分とする防汚塗料が使用されますが、これらは海洋生物に有害です。米国コネチカット州は使用量を最小限に抑えるよう推奨しており、2008年の国際海事機関(IMO)の条約でも有害成分を含む防汚塗料の使用が制限されています。このため、船舶にとっては便利でも、環境への負荷が大きく「真の利点」とは言い難いです。
