廃水中の硫化水素除去・予防方法
概要
硫化水素は廃水処理において、濃度が高いと毒性があり、低濃度でも悪臭や腐食の原因となります。主に酸素欠乏環境で増殖する硫酸還元菌が生成します。対策はシステムの規模やコストに応じて選択します。
必要な薬剤・資材
- 二塩素酸(クロロジン酸)
- 硝酸カルシウムまたは硝酸ナトリウム
- 鉄塩(フェリック/フェロス)
- 過酸化水素
処理手順
二塩素酸を添加して硫化水素を減少させ、廃水を塩素消毒し硫酸還元菌を殺菌します。二塩素酸は硫化水素と速やかに反応し可溶性生成物を作ります。また、スラッジや緩流域に付着した嫌気性バイオフィルムも破壊します。投与量は処理すべき廃水量に応じて調整します。
硝酸カルシウムまたは硝酸ナトリウムを加えて硫化水素の生成速度を抑制します。硫酸還元菌は硝酸を硫酸より優先的に利用するため、硝酸が存在すれば硫酸の還元が抑えられます。過剰投与は逆に処理を困難にするため、適切な量を守ります。最適投与量は廃水量とシステムタイプに依存します。
過酸化水素を廃水に投与します。過酸化水素は硫化水素と速やかに反応し、すぐに消費されます。したがって、必要箇所の直近で添加することが重要です。目安は硫化水素1 mg/Lに対して過酸化水素を1〜3 mg/Lです。
鉄塩(フェリックまたはフェロス)を添加します。鉄塩は硫化水素と反応して不溶性の硫化鉄沈殿を形成し、廃水から硫化水素を除去します。生成した硫化鉄は処理プラントで濾過できます。投与目安は硫化水素1 mg/Lに対し鉄塩を3〜5 mg/Lです。
廃水システムの流量設計を最適化します。新規設計の場合、停滞を防ぎ硫酸還元菌の増殖を抑えるために十分な流速を確保することが重要です。目安は流速が最低でも0.6 m/s(約2 ft/s)以上です。
