水中総有機炭素(TOC)分析の重要性と測定方法

TOC(総有機炭素)は、水中に含まれる有機炭素の総量を示す指標です。自然に存在する有機化合物もありますが、農薬や工業排水など人為的に混入した有機炭素は、摂取すると健康被害を引き起こす恐れがあります。そのため、自治体の上水、ボトルウォーター、医薬品製造用水など、すべての飲料水は安全性を確認するためにTOC測定が行われます。

TOCは毒性の指標

有機炭素が多いほど、微生物の増殖が促進され、水中の酸素が消費されます。結果として酸素欠乏が進み、生態系や人間の健康に悪影響を与える可能性があります。1974年のクリーンウォーター法で飲料水の基準が定められ、TOC測定はその毒性評価の中心的手法です。

簡易説明

TOCは、水中のタンパク質、糖質、脂質、アルコールなどの有機化合物の総量を示します。測定は「総炭素」から「無機炭素」を差し引き、揮発性有機化合物や除去できない有機化合物を加算することで求められます。1970年代以降、測定法は簡便かつ高精度になっています。

検査方法

測定では水を酸化させて有機化合物を二酸化炭素に変換します。加熱(約2,000℃)、化学酸化、または紫外線照射のいずれかで完全酸化させ、発生したCO₂を検出器で測定します。CO₂の量は水中の有機炭素量に比例します。

ヨーロッパでの手法

ヨーロッパでは主に「排出法」と「差分法」の二つが用いられます。試料の組成に応じて適切な方法が選択されますが、揮発性有機化合物が多い場合、排出法では検出できないことがあります。そのため、水質に応じた手法選択が重要です。

次のステップは?

1987年に改正された安全飲料水法では、総有機化合物の基準値は5 ppb未満と定められています。基準を超える場合は、化学薬品などでTOCを低減させる処理が必要です。最も一般的なのは塩素消毒で、ウイルスや細菌の除去に有効ですが、塩素味が残ることがあります。私設井戸でも同様に塩素が使用されます。

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