水中有機汚染物質の分析
有機汚染物質は環境に悪影響を与えるだけでなく、人間の健康リスクも引き起こします。自然分解しにくく、数十年にわたり水源に残留することがあるため、特に注意が必要です。水中の有機汚染物質を分析することで、関係者は水質や安全性を評価し、適切な対策を講じることができます。
持続性有機汚染物質(POPs)
米国環境保護庁(EPA)は、水中の有機汚染物質の監視と分析を行っています。EPA は特に広範囲に分布し、分解しにくい「ダーティ・ドゥズン(Dirty Dozen)」と呼ばれる12種の持続性有機汚染物質(POPs)をリスト化しています。これらの汚染物質がどこに存在するかを特定し、拡散防止や除去策を策定することが EPA の重要な任務です。
ダーティ・ドゥズン
ダーティ・ドゥズンは、農薬や産業・燃焼副産物など、人為的に作られた化学物質が中心です。具体的には以下の 12 種が含まれます。
- アルドリン(Aldrin)
- クロルデン(Chlordane)
- DDT
- ジエルドリン(Dieldrin)
- エンドリン(Endrin)
- ヘプタクロル(Heptachlor)
- ヘキサクロロベンゼン(Hexachlorobenzene)
- ミレックス(Mirex)
- トキサフェン(Toxaphene)
- ポリ塩化ビフェニル(PCBs)
- ジオキシン類とフラン類(Dioxins and Furans)
その他に EPA が水中で分析対象としている有機化合物については、公式リソースをご参照ください。
分析手法
EPA のオハイオ州シンシナティとジョージア州アセンズにある研究所では、ガスクロマトグラフィー(GC)と質量分析計(MS)を組み合わせた手法を開発し、試験方法 624 と 625 として公表しました。これらは自治体排水や工業排水中の有機汚染物質を標準的に測定するための方法です。
ガスクロマトグラフィー(GC)
GC は試料中の有機化合物を分離する装置です。試料を加熱して気体にし、カラムと呼ばれる管に注入します。カラム内で化合物は液体状態と気体状態を繰り返し、各物質の揮発性の違いにより移動速度が異なります。その結果、成分が時間差でカラムの出口に到達し、分離されます。
質量分析計(MS)
分離された試料は質量分析計に送られ、イオン化されて電場を通過します。軽いイオンは大きく曲がり、重いイオンは曲がりが小さくなるため、検出器に到達する位置が質量に対応します。これにより、各有機汚染物質の同定と定量が可能になります。GC と MS を組み合わせることで、試料中の汚染物質の種類と濃度を正確に把握できます。
