アスベストの除去と処分
アスベストの種類
建築に使用されるアスベストは大きく2種類に分かれます。
非破砕性アスベスト
非破砕性アスベストは手で砕くことができず、危険な繊維に分解しにくい素材です。代表例として、アスベストセメント、シングル、サイディング、床タイルなどがあります。これらはそのままの状態では環境・健康リスクは低いとされていますが、研磨や機械での粉砕は健康被害を引き起こす可能性があります。アスベストを含む製品は、適切な防護措置なしに粉塵化してはいけません。
破砕性アスベスト
破砕性アスベストは手で粉砕でき、繊維が空中に飛散しやすいため最も危険です。断熱材や、かつてはテクスチャーペイントやパッチングコンパウンドの添加剤として使用されていました。
アスベストに関する規制
州および連邦レベルで、アスベストの除去・取り扱い・輸送・廃棄に関する厳格な法律が定められています。除去作業を開始する前に、業者は目視検査を行い、サンプルを分析機関に送付しなければなりません。また、除去の意図を州当局に通知する書類提出が必要です。違反した企業は高額な罰金や、故意の過失が認められた場合は経営者が刑事罰を受けることがあります。
個人の住宅所有者は事業者ほどの規制は課せられませんが、リフォーム時にアスベストを無視すると家族の健康リスクが高まるだけでなく、法的責任を問われる可能性があります。大規模・小規模を問わず、アスベスト作業は専門の訓練を受けたプロに依頼するのが安全です。
アスベスト除去の手順
除去作業に従事する作業員は、専門のアスベスト除去技術の訓練を受け、十分な監督下で作業を行う必要があります。作業エリアでは、防塵マスク・防護服・手袋などの適切な保護具を必ず着用し、粉塵や繊維が空気中に拡散しないよう細心の注意を払います。作業区域はロープで囲い、無防備な立ち入りを防止します。可能であれば家具は搬出し、搬出できない場合はしっかりと覆って保護します。
粉塵抑制の最も効果的な方法は、作業面を水で湿らせた上で専用機器で除去することです。まずスプレーで微細な水霧を散布し、続いて濡れたモップやスポンジで拭き取ります。また、HEPAフィルター搭載の真空掃除機で慎重に吸引することも推奨されます。
除去されたアスベスト廃棄物、作業員の防護服や使い捨てのスポンジ類は、密閉可能なラップや専用バッグに入れ、漏れのない状態で保管します。作業完了後は現場に粉塵が残っていないことを確認し、空気検査で安全が証明されたら人が戻っても問題ありません。
アスベスト廃棄の流れ
アスベスト廃棄にも法的規制があります。密閉容器に入れた廃棄物は、危険廃棄物の取り扱いに熟練したドライバーが、許可を受けた処分施設へ輸送します。輸送・処分の全過程で、作業員と周辺環境の安全確保が徹底されます。
除去以外の代替策
除去は高額になることが多いですが、代替手段もあります。アスベスト製品は損傷しない限り安定しており、危険性は低いです。米国環境保護庁(EPA)は、古いタイルを取り替えるのではなく、上から新しい床材を貼ることを推奨しています。既存のアスベスト素材を覆い隠すことで、除去に伴う有害繊維の拡散リスクを大幅に低減できます。
