石炭燃焼灰に関するEPAサブタイトルD規制の概要

Bevill免除(Bevill Exemption)

1976年制定の資源保全回収法(RCRA)は、有害・非有害廃棄物を規制し、人間の健康と環境への危害を防止することを目的としています。1980年に議会はRCRAを改正し、固形廃棄物処理法(SDWA)を追加しました。この改正により、採掘廃棄物のうち大量だが危険性が低いと判断されたものは有害廃棄物規制から除外されました。

いわゆるBevill免除は、鉱石や鉱物の採取・加工過程で生じた材料は、処理により汚染物質が除去されたとみなして非有害と位置付けました。その結果、石炭燃焼生成物を含む20種の採掘廃棄物は有害廃棄物ではなく、固形廃棄物として扱われます。

州レベルでの石炭灰規制(State Regulation of Coal Ash)

RCRAとSDWAの規制の不整合は、採掘廃棄物の安全な処分に障壁をもたらしています。理論上は、廃棄物から資源を回収・再利用することが期待されていました。石炭灰はセメントや道路建設資材として再利用でき、二酸化炭素排出削減に寄与しますが、実際には輸送コストが高く、再処理が進まないため、発電所に長期間蓄積されるケースが多くなっています。

連邦最低基準(Minimum Federal Requirements)

RCRAサブタイトルDは、石炭灰の埋立または表面貯留に関する最低基準を定めています。埋設場所は事前の水文地質調査に基づき決定し、ライナー設置、浸出水収集システム、流出制御、地下水モニタリング、是正措置、閉鎖・後処理計画が必須です。また、貯留構造の構造的健全性を建設・運用中に証明しなければなりません。

州による監督(State Oversight)

各州は石炭灰に関して複数の許可を発行しています。許可は貯留場所の選定、構造設計、ライナー使用、ダム安全性、水質汚染排出規制などをカバーします。EPAとエネルギー省が共同で作成した「1994‑2004年の埋立・表面貯留における石炭燃焼廃棄物管理」報告書によれば、州ごとに許可を固形廃棄物部門が出す場合と、全国汚染排出除去システム(NPDES)部門が出す場合があり、基準や優先事項に違いがあります。

構造物の破損リスク(Structural Failure)

RCRA制定時は、回収可能な廃棄物は再利用される前提でしたが、実際には貯蔵・処分・輸送に高度な技術とコストが必要です。多くの事業者は再処理よりも現場保管を選択し、結果として貯留施設に過剰な負荷がかかり、破損事故が発生しやすくなっています。このため、EPAは近い将来、石炭灰を直接規制対象とする方針を検討しています。

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