洗濯洗剤と環境汚染
洗濯洗剤が発明された当初から、環境への影響が懸念されてきました。1960年代には問題解決が目標とされましたが、現在でも一部の大手ブランドは環境や生物に有害な化学物質を含んでいる可能性があります。
歴史
合成洗剤が初めて発見されたのは1916年です。戦時中、水中のミネラルと反応して石鹸が固まる(石鹸かす)問題を回避するために、合成洗剤の需要が高まりました。しかし、米国で本格的に普及したのは1946年のことです。10年後には洗剤の売上が石鹸を上回り、1950年代に液体洗剤、1960年代に酵素入り粉末洗剤が登場しました。1980年代には低温洗濯が可能となり、1990年代に超高性能洗剤が開発されました。
重要性
米国で洗剤が普及した頃、下水処理場で異常な泡立ちが報告され始めました。この泡は湖や川へ流れ込み、水質汚染を引き起こしました。水処理の専門家は洗剤に含まれる合成成分が原因と指摘しましたが、業界は当初否定しました。これが洗剤の化学組成と環境影響を調査するきっかけとなりました。
問題の特定
世界各地の調査で、洗剤に使用されている合成界面活性剤の約80%がテトラプロピルベンゾンスルホン酸(アルキルベンゼンスルホン酸、ABS)であることが判明しました。この化学物質は下水処理施設の機械効率を低下させる原因となっていました。
解決策
研究者はABSの代替品開発に取り組み、1960年代初頭に分子篩技術を応用して線形アルキルスルホン酸(LAS)を実用化しました。また、1965年に水質汚濁防止法が改正され、以後ABSの使用が禁止されました。
現在の懸念
主要な問題は解決されたものの、近年は市販の洗剤に残る新たな汚染物質が注目されています。人工香料は石油系原料が主成分で生分解性が低く、魚類や哺乳類に有害です。その他の合成成分も分解が遅く、環境中で発がん性物質に変化する恐れがあります。さらに、リン酸塩は多くの州で使用が禁止されていますが、残留すると水域の富栄養化を促進します。
