カビが蜂窩織炎(セルロリティス)を引き起こす可能性は?

セルロリティスとは

セルロリティスは皮膚の深部に起こる細菌感染症です。主に顔、腕、脚などに現れ、皮膚の外傷や切り傷から細菌が侵入して発症します。原因菌は溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。主な症状は患部の腫れ、圧痛、痛み、あざ、発熱、頭痛、寒気です。進行すると皮膚の赤い条状の走行(紅斑)や全身の倦怠感が見られます。

眼窩蜂窩織炎(眼窩セルロリティス)

眼窩蜂窩織炎は眼球を取り巻く組織(まぶた、眉、頬)に起こる急性細菌感染です。発熱や腫れに加え、眼の痛み、紅潮、視力低下、眼球突出がみられます。小児では副鼻腔炎に伴う細菌(特に副鼻腔に生息する黄色ブドウ球菌)が原因となります。

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)

黄色ブドウ球菌は空気、ほこり、下水、飲料水、乳製品、食品・調理器具、動植物、そして人間の鼻腔や咽頭に広く存在します。健康な人の約50%が鼻腔に保菌しています。特定の株は熱に強いタンパク質毒素を産生し、食中毒や皮膚感染の原因となります。湿潤な環境(腐敗食品、停滞水、壁裏の漏水など)で急速に増殖し、カビと共生することがあります。破れた皮膚がこの有毒カビに触れると、セルロリティスや他の皮膚感染を引き起こすリスクが高まります。

カビアレルゲンと副鼻腔への影響

アレルギーは体が有害と認識した物質に対する免疫反応です。季節性アレルギーや新しい環境での刺激物(花粉、ハウスダスト、カビ、ペットの毛、虫刺され、食べ物、薬剤)などが原因となります。カビへの曝露は副鼻腔炎を誘発しやすく、長引く副鼻腔炎があると、カビに含まれる黄色ブドウ球菌が眼窩蜂窩織炎やその他の合併症を引き起こす可能性があります。

体部白癬(Tinea corporis)

体部白癬は皮膚、毛髪、爪に感染する皮膚糸状菌(カビ)の一種で、特に子どもに多く見られます。リングワームとも呼ばれ、発汗や小さな皮膚・爪の傷、衛生状態の悪さが感染リスクを高めます。症状は赤く炎症した斑点やかさぶたで、セルロリティスと類似した症状を呈することがあります。市販の抗真菌クリームで治療できますが、放置すると二次的に細菌感染(セルロリティス)を起こすことがあります。

まとめ

カビ自体は直接的にセルロリティスを引き起こすわけではありませんが、カビが繁殖する湿った環境は黄色ブドウ球菌などの病原菌の温床となります。皮膚が傷ついた状態でこれらの菌に接触すると、セルロリティスや眼窩蜂窩織炎のリスクが高まります。カビの除去と適切な衛生管理、そして皮膚の保護が予防の鍵です。

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