マウスピース付きCPRバリアの概要と選び方

心肺蘇生(CPR)はここ数十年で大きく変化し、救命に欠かせない技術です。しかし、口対口人工呼吸への感染リスクを懸念し、実施を躊躇する人も少なくありません。近年、市販されているマウスピース付きのCPRバリアデバイスにより、安心して口対口呼吸を行えるようになりました。

昔はどうだったか

かつては救急救命士(EMT)もエイズやHIV、肝炎などの感染リスクを常に意識しながら、口対口人工呼吸を行っていました。「もし感染したら…」という不安が根強く、訓練でも「やらなければ犠牲者が死んでしまう」と指導されることが多かったのです。

現在の実情

1990年代以降、感染防止用のCPRマスクやバリアデバイスが多数販売されるようになり、救助者は口対口ではなく「口対マスク」で人工呼吸を行うのが主流となりました。現在では、キーリング型やベルトポーチ、バッグ用ケースなど、様々な形状・価格帯の製品が入手可能です。

アンブバッグに装着されたマスクはCPRマスクに似ている
アンブバッグに装着されたマスクはCPRマスクに似ています。

バリアの機能と安全性

すべてのCPRバリアには、一方向バルブ付きのマウスピースが装備されています。これにより、救助者の口や鼻に患者からの体液が逆流することはありません。OSHA(米国労働安全衛生局)の血液媒介病原体規則(1910.1030)でも「血液や感染性物質が作業者の衣服や皮膚、粘膜に届かない」ことが求められています。この基準に適合した製品は、一般市民が使用しても同様の保護効果が期待できます。

マウスピースの種類

バリア製品は大きく分けて「ポケットマスク」と「使い捨てバリア」の2タイプに分類されます。ポケットマスクは取り外し可能で洗浄でき、使用感が良いのが特徴です。一方、使い捨てタイプは2インチ程度のチューブ状マウスピースや、薄いディスク型のものなど、形状は多様です。用途や予算に合わせて選択できます。

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