水酸化ナトリウムによる皮膚火傷の対処法
水酸化ナトリウム(NaOH)は、化学実験や工業で最も広く使用されている強アルカリの一つです。白色の固体ペレットとして販売され、水に非常に溶けやすい特徴があります。酸の中和、石鹸・飲料水・紙の製造など多様な用途がありますが、強い腐食性を持つため、取り扱い時には十分な安全対策が必要です。皮膚に付着すると化学火傷を引き起こす危険があります。
急性曝露
水酸化ナトリウムと皮膚が接触すると、濃度に応じて火傷の程度が変わります。濃度25〜50%の溶液に触れると、即座に火傷が生じます。濃度が低い場合でも、数時間後に症状が現れることがあります。化学火傷が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
救急現場での応急処置
まずは事故現場から離れ、安全な場所へ移動します。自力で動けない場合は周囲に助けを求めましょう。安全な場所に移動したら、固体の化学物質が付着している場合は、手袋や布など別の物で優しくはがし、直接皮膚に触れないようにします。その後、汚染された衣服はすべて脱ぎ、皮膚を流水で最低15分間しっかり洗い流します。
目に入った場合は、清潔な水または生理食塩水で30分以上十分に洗い流してください。コンタクトレンズを装着している場合は、目をさらに傷つけないように慎重に外します。
汚染された衣服は、ビニール袋など密閉できる容器に入れて安全に保管します。自力で病院へ向かえない場合は、救急車を呼ぶか、誰かに連絡して搬送してもらいましょう。
病院での治療
病院に到着したら、まず救急部の入口へ直接向かい、受付の看護師に「水酸化ナトリウムによる火傷です」と伝えて、できるだけ早く火傷専門病棟へ案内してもらいます。濃度や曝露時間など、可能な限りの情報を医療スタッフに提供してください。
水酸化ナトリウム自体に特効薬はなく、肺など他臓器への影響を示す特異的な検査はありませんが、血液検査や画像診断で臓器障害の有無を確認することは可能です。退院後は、主治医のフォローアップを受けることが推奨されます。
