遠心分離技術とは
遠心分離は、生体組織やその他の試料中の特定成分を分離・回収するために、試料を高速で回転させる手法です。遠心力により、質量や密度の違いで試料は層状に分離します。回転速度や時間、使用する媒質を変えることで、細胞、細胞小器官、分子などを選択的に抽出できます。
ペレット形成
遠心分離で最も重要なプロセスの一つがペレット形成です。高速回転により遠心力が増大し、重い粒子はチューブ底部に集まり固いペレットとなります。回転速度が高いほど、より小さな粒子までペレット化され、低速では大きな粒子だけが沈降します。
上澄み
遠心後、ペレット以外の上部に残る液体を上澄みと呼びます。上澄みは軽い粒子や小さな分子が含まれ、さらなる遠心や分析に利用できます。通常はピペットやマイクロピペットでチューブ上部から慎重に除去します。
質量に基づく分離(差次遠心)
質量差による分離の代表的手法は差次遠心です。まず低速で遠心し、上澄みを回収して次に高速度で再遠心します。速度を段階的に上げながら上澄みを取り出すことで、徐々に小さな粒子を沈降させ、目的の成分を濃縮します。
密度に基づく分離(密度勾配遠心)
差次遠心だけでは小さな粒子が残ります。そこで密度勾配遠心を用い、異なる密度の媒質層をチューブに順に配置します。試料を上に置き遠心すると、粒子はそれぞれの密度に応じた層に分布し、目的の成分だけを選択的に回収できます。
