アバンディア(ロシグリタゾン)に関するFDAの懸念と対応経緯
アバンディア(ロシグリタゾン)について
グラクソ・スミスクライン(GSK)は、ロシグリタゾンマレートを原薬とし、以下の3つのブランド名で販売しています。
- Avandia:ロシグリタゾンマレート単剤
- Avandamet:ロシグリタゾンマレート+メトホルミン塩酸塩(ビッグアナイド系糖尿病薬)
- Avandaryl:ロシグリタゾンマレート+グリメピリド(スルホニル尿素系)
FDAが指摘した安全性問題は、これら3製品すべてに適用されます。
2007年初頭のFDA懸念
2007年5月21日、FDAは「ロシグリタゾン使用患者における虚血性心血管イベント」のリスクを示す警告文を発表しました。臨床試験データはリスクを示す一方、他のデータは必ずしも同様の結論を支持しないとして、同年7月30日に追加の評価会合を開催することを決定しました。
2007年のラベル変更
2007年8月14日、FDAは新たなラベルを承認し、冒頭に「ボックス警告(boxed warning)」を付記しました。これは、重篤な心疾患を有する患者に対してAvandiaの使用を原則禁忌とする内容です。さらに、2007年11月14日には「心筋虚血(血流低下)患者に対する禁忌」をボックス警告に追記しました。
2010年2月のFDA発表
GSKが実施した「RECORD(Rosiglitazone Evaluated for Cardiovascular Outcomes and Regulation of Glycemia in Diabetes)試験」のデータを受け、FDAはリスクとベネフィットの再評価を行う旨を発表しました。評価結果は同年7月に開催される諮問委員会で報告される予定でした。
RECORD試験に関する懸念報告
『ニューヨーク・タイムズ』によると、GSK提出データを精査したトーマス・マルチニアック博士は、重大な心臓イベントが有害事象として集計に含まれていないケースを多数発見しました。これはFDAの通常の審査よりも詳細なレビューであり、Avandiaの安全性に関する疑問が高まるきっかけとなりました。
2010年7月の諮問委員会の結果
2010年7月13日・14日に開催されたFDA諮問委員会では、以下のように投票が行われました。
- 市場からの撤回を求める:12票
- 使用制限とラベル警告の強化を求める:10票
- ラベル警告のみの強化を求める:7票
- 変更なしを求める:3票(1名は棄権)
同年7月のFDA声明と臨床試験の中止
2010年7月21日、FDAは進行中のAvandia臨床試験に対し「部分的臨床停止(partial clinical hold)」を発令しました。これは新規患者の登録を停止する措置で、諮問委員会での議論と安全性情報を踏まえて、最終的な判断が下されるまで続けられます。
